連関資料 :: エドガー・アラン・ポーとマーク・トウェインについて述べよ

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  • エドガーアランポーマークトウェインについて述べよ。
  • 「エドガー・アラン・ポーとマーク・トウェインについて述べよ。」  アメリカ文学史において19世紀前半を代表する作家といえばエドガー・アラン・ポーであり、19世紀後半といえばマーク・トウェインであろう。本稿では、先ず両者の作品について概論を述べる。次に代表作を出来るだけ幅広く取り上げ、各々の具体的内容について、批評を織り交ぜつつ詳しく述べてみたい。尚、ポーについては短編・詩・評論の3つをそれぞれ分野別に叙する。 エドガー・アラン・ポー:19世紀の前半のアメリカ文学のなかで世界文学的なレベルで評価され、他国の文学に大きな影響を与えたのはポーの作品であろう。「大鴉」や「詩の原理」などにおいては、美こそが詩の全てであり、美は理知的な作業によって構築されうるという持論を作品の中で体現し、また「黒猫」や「アッシャー家の崩壊」などにおいては怪奇な幻想世界を作り出した。さらに「盗まれた手紙」や「モルグ街の殺人事件」では推理小説というジャンルを確立するに至ったのである。 ポーの短編小説の大半は、「怪奇幻想物語集」と「短編集」にまとめられており、それらの小説のテーマは主に3つに分類される。第1に恐怖、次に美や詩情、第3に推理である。 さて、特に著名な作品のひとつ「アッシャー家の崩壊」がある。これは中世趣味、煽情主義、超自然的恐怖のゴシック・ロマンス的要素をすべて取り入れた作品である。この他、ポーにはゴシック・ロマンスから発展した探偵小説があり、「モルグ街の殺人事件」、「マリー・ロジェーの怪事件」、「盗まれた手紙」の三篇はいずれもパリを舞台とし、探偵デュパンが活躍する物語であるが、怪しい幻想の世界の中に、理路明快たる描写がほとばしる快作といえよう。  ポーの詩作における基調は、純然たる美を理想としていることであり、また天上の美に対する憧憬を満たすという点にある。友人の母親に恋をしたときの思いを書いた「ヘレンへ」、一人の男が恋人の死を悼み、彼女の美を理想化することにより、理想の美にともなう魂の高まりと霊的な深さを得る「大鴉」などで、美を追求している。   評論については、ポーの文学論がよく著されているといえるだろう。代表作は「創作理論」と「詩の原理」であるが、「創作理論」においては「大鴉」の創作過程を分析し、詩の存在意義は美的なものを鑑賞することにあるという前提で、その美を最高に表現するための方法論を探ってみたり、あるいは音の面から、意味の面からどのような効果をあげているのかを「大鴉」の中から実例を用いて述べている。「詩の原理」では、美に対する感動の緊張について述べ、詩はできるだけ短くすべきであると主張し、また、詩の目的は知性や道徳から解放して美を鑑賞することだと主張した。 以下、ポーの文学の総論となるが、彼は短編小説において、中世の象徴である古城や廃墟を人間の精神の深みを表わしたものととらえ、それを怪奇や恐怖という形を取り入れた心理ロマンスに発展させた。また詩・評論においては純粋に文学の美を追求したが、雑誌編集者としての文芸創作に対する著しい意欲の表われが直情に美を追求させたのではないか。またポーの詩はボードレールやマラルメなどフランス象徴派詩人に多大なる影響を与え、美の音楽的創造とする詩論は現代でも詩創造の基本的認識になっている。  マーク・トウェイン:最もアメリカ的な文学者であると、詩人・ホイットマンと並び称されているのがトウェインである。彼はアメリカ文学の伝統を確立した国民的作家として認識されており、その代表的作品として「トム・ソーヤの冒険」や「ハックルベリ・フ
  • レポート 海外文学 ポー トウェイン アメリカ文学史 佛教大学 19世紀前半
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  • 「エドガー・アラン・ポーとマーク・トウェインについて述べよ。」  アメリカ文学が飛躍的に成長をみせた19世紀、アメリカン・ルネサンスと呼ばれる時代の前半にエドガー・アラン・ポーは活躍を見せた。ポーは、多くの作家がアメリカを舞台に、アメリカに題材を求めていたのに対し、外国・国籍不明の土地を舞台に、古い城など月並みな素材を使用し、最高の美を追求し、非現実的な人工世界を作り出した作家であり、非常に特異な作家である。一方マーク・トウェインは、南北戦争以後の19世紀後半、自由と平等を理想とする社会の中現実との矛盾を作品の中で批判し、新しい創作世界をうち立てた作家である。 19世紀を代表するこの両者について、代表作を幅広く取り上げ、各々の具体的内容をについて述べていくことにする。ポーについては、短編、詩、評論の3分野について述べることとする。 エドガー・アラン・ポー:19世紀前半のアメリカ文学の中で、アメリカの最初の世代の文学者としてアメリカ内外で知られた作家である。また、他国、特にフランスおいてのポーの評判は非常に高く、詩観の権威と認められ、作家としての名声を得ていた。ポーの偉業は大きく短編、詩、批評の3つの分野に分けられる。  ポーの短編小説は、ほとんどが雑誌に寄稿されたもので、『怪奇幻想物語』と『短編集』にまとめられ、それらの短編は、恐怖をねらったもの、美的または詩的なもの、推理もの、の3種類に分けられる。  「アッシャー家の崩壊」では、現実と幻想の交錯する中で、“人間の深層と外界との根源的かかわり”が表現され、何とも表現し難い恐怖心を与える作品であり、「黒猫」も同様に、人間のすさんでいく心の恐怖を、また良心を悩ませるものの、恐怖が描かれた作品である。また、「盗まれた手紙」ではゴシック小説を発展させ、
  • 米文学史 佛教大 レポート A評価
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