今日の食環境について述べる前に、まず「飢餓」と「飽食」について考えていきたい。
世界の人口の約80パーセントが、発展途上国といわれる貧しい国に集中している。このような国においては、食環境も劣っている。毎日、約2万4000人の人々が飢餓に関連した原因で命を失っているといわれている。
『食環境と健康について。』
今日の食環境について述べる前に、まず「飢餓」と「飽食」について考えていきたい。
世界の人口の約80パーセントが、発展途上国といわれる貧しい国に集中している。このような国においては、食環境も劣っている。毎日、約2万4000人の人々が飢餓に関連した原因で命を失っているといわれている。
「飢餓」に苦しむ人々はまず第一に栄養失調になる。これは体の成長を遅らせるのはもちろんのこと、エネルギー代謝の障害により好中球と呼ばれる白血球の食菌作用を著しく阻害するのである。また、免疫力をつけるための主役となるリンパ球と呼ばれる白血球の増殖を抑えるために、非常に重い免疫不全症を引き起こすのである。
このような国、地域にあっては、衛生環境も悪いため、微生物あるいわ寄生虫による伝染病の蔓延を促すことになる。さらに貧困によって医療施設や医薬品、人材も十分に整っていないのである。発展途上国の死亡原因の第1位は、免疫不全症に基づく微生物・寄生虫感染症なのである。
一方で日本をはじめとする先進諸国おいては、食べ物に恵まれ、食べたいときに食べ物が何でも食べられる環境が整っている。...