今日、我が国では少子化が社会問題となっており、合計特殊出生率回復の兆しも見えてこない。かつては親族や地域連帯によって子育て支援が行われていたが、今では核家族化や地域の連帯意識の希薄化など、子育ての環境も大きく変わってきている。それまでの環境では、育児は公的な社会支援のサービスを受ける対象ではなかったが、今では本当ならば家族内で解決できるはずの問題が社会的に浮き彫りになってきたのである。まずは、その理由・背景について考えてみる。子育て支援制度が誕生した背景には、次の3つの要因が挙げられる。
①都市化の進展
マンションやアパートなどの集合住宅主義が広まったことにより、近隣との結びつきが希薄になり、育児知識や養育態度、生活の地などを伝授してもらう「機会」がなく、子育ての不安や、家庭内の小さな問題解決をも近隣に期待することができなくなっており、母親は自分の内にしまいこんでしまうことが多い。
また、ビルなどの建物があちこちに建設されていることで、昔は子どもの遊び場だった空き地などは、今では滅多に見られなくなってしまった。子どもが縦横無尽に遊べる空
子育てに求められる支援とその背景について
今日、我が国では少子化が社会問題となっており、合計特殊出生率回復の兆しも見えてこない。かつては親族や地域連帯によって子育て支援が行われていたが、今では核家族化や地域の連帯意識の希薄化など、子育ての環境も大きく変わってきている。それまでの環境では、育児は公的な社会支援のサービスを受ける対象ではなかったが、今では本当ならば家族内で解決できるはずの問題が社会的に浮き彫りになってきたのである。まずは、その理由・背景について考えてみる。子育て支援制度が誕生した背景には、次の3つの要因が挙げられる。
①都市化の進展
マンションやアパートなどの集合住宅主義が広まったことにより、近隣との結びつきが希薄になり、育児知識や養育態度、生活の地などを伝授してもらう「機会」がなく、子育ての不安や、家庭内の小さな問題解決をも近隣に期待することができなくなっており、母親は自分の内にしまいこんでしまうことが多い。
また、ビルなどの建物があちこちに建設されていることで、昔は子どもの遊び場だった空き地などは、今では滅多に見られなくなってしまった。子どもが縦横無尽に遊べる空...