子どもの「不適応行動」について述べよ。
現代社会はストレス社会とも表現され、大人も子どもも多くの悩みや欲求不満を抱えながら生活をしている。生活スタイルは大きく変化し、のびのびと生きていける社会ということはできないだろう。学歴至上主義に代表されるように子どもに対する重責も大きく、同時に発散する遊びの時間も場も失われている。このような社会において問題となってきた社会病理の一つが、「不適応行動」である。
人間は本来、日々変わり行く環境に応じて、自分自身や環境を変化させていくものである。人間は生来から生理的欲求に始まり、成長するにつれて依存・承認・自己顕示・自立要求などの社会的要求も生まれてくる。しかし日常生活においては欲求を抑え付けられることがほとんどであり、多くの場合は我慢や考えを変えるなどをして適応される。「適応」とは生活体と環境とが調和した関係を保つことと言い換えられる。環境と自分の考えとが一致しない、つまり不適応状態にあったとき、柔軟に変化させながら適応状態へと運ぶことが本来望ましい姿であるといえる。また不安や不満から自分を守ろうとする心理的な働きの中での一時的な回避法を、フロイト...