子育てに求められる支援とその背景について
子育て支援はかつては親族や地域連帯によって行われてきたが、近年の都市化、核家族化の進行等に伴い血縁・地縁型の子育て支援体制は弱体化しているとともに、いまだこのような子育て支援体制に代わるシステムが形成されているわけではない。このため子育てが両親、特に母親には過重な負担となり、不安や孤立感が増大していることから、子育てに対する社会的支援システムを構築することが重要な課題となっている。
子育て支援とは、子どもの養育基盤である家族をなんらかの形で社会が支援し、家族と協働して子育てを行うことである。今日のように都市化や核家族化、少子化が進行した社会にあっては、子育てに関する家庭機能が弱体化していることから、地域連帯あるいは公的な面での子育て支援策が必要となってきている。特に少子化が急速に進行している日本では、少子化対策の一環としての子育て支援施策の推進が重要な課題である。
子育て支援施策は、子どもの年齢区分及び家庭や子どもの置かれている状況に応じて、様々な形で実施されており、広義には現行の児童家庭福祉対策の大半が子育て支援に関わる施策とも言える。...