乳幼児期から児童期にいたる発達の特徴について述べよ。
フロイトやピアジェなどの著名な学説では、青年期までの面の身体的上昇的変化・下降的変化と区切って考えてきたが、それとは対照的に前向きな考えを示したのがエリクソンである。
身体は青年期を過ぎると下降の一途を辿るが、最近は人生の後半も含めて、人間は一生発達をするという考え方が重要であるとされている。生から死までの人間の社会的変化を表したライフサイクルを考えることが、生涯発達心理学である。
このエリクソンの発達論は「心理社会的発達論」と規定され、フロイトの心理・性的発達論に対し、社会的側面から人間の発達を見直したものである。そして、「心理・社会的な自我」の発達として「人間の8つの発達段階」と上記に述べた「ライフサイクル論」を唱えた。以下に、その8つの段階を述べる。
①乳児期(0歳~1歳未満):信頼対不信。基本的信頼の獲得の段階。
②乳児期初期(1歳~3歳未満):自律対疑惑。自律の感覚を学習する段階。
③遊戯期(3歳~6歳未満):自発性対罪悪感。自主性を学習する段階。
④学童期(6歳~12歳前後):勤勉対劣等感。勤勉感覚を獲得する段階...