1.中国の農業事情
中国の農業地帯は、西が牧畜、東が農業地帯になっており、農業地帯は北部の畑作と南部の稲作に区分される。1949年の建国以来、農業は、約13億人の国民を支える国の基盤となっている。以前は人民公社を中心とする共同生産方式であったが、
1.中国の農業事情
中国の農業地帯は、西が牧畜、東が農業地帯になっており、農業地帯は北部の畑作と南部の稲作に区分される。1949年の建国以来、農業は、約13億人の国民を支える国の基盤となっている。以前は人民公社を中心とする共同生産方式であったが、市場経済の導入に向けた改革により、土地の集団所有制を残したまま人民公社を廃止し、農家がひとつの経営体としてその土地で生産を請け負う方式を導入したことにより、自己生産物の販売が可能となり生産量が急速に増大した。また、自由経済の急速な発展に伴い「万元戸」が出現し、農村経済が急速に発展した。一方、国土の広大さから地域によって気候、地形、土壌等の自然環境に差異があり、経済的に発展した沿岸部と内陸部とでは営農形態や栽培作物などが異なる。東部は都市開発が進み、近郊の農業は順調に発展を遂げているが、中西部地域では旧態依然とした農業で内陸地域の発展を妨げている。このため中国政府は沿岸部と内陸部の経済格差を是正するため、内陸地域を重点的に開発する「西部大開発」を実施し、都市部、農村部を含めた内陸地域全体の発展を促進している。また、近年の食糧輸出量の増加に伴い...