ユダヤ人の民族意識

閲覧数5,097
ダウンロード数26
履歴確認

    • ページ数 : 3ページ
    • 会員550円 | 非会員660円

    資料紹介

    ユダヤ人の民族意識
    ユダヤ人の歴史では国を持った次期はわずかしかない。しかし彼らは国を持っていても、もっていなくてもユダヤ人であり続けた。どこの土地に行ってもその地の民族と同化することは無かった。彼らはアイデンティティを何に見出したのであろうか。また民族意識のもたらしたものとは何か。
    ~旧約聖書~
    ユダヤ人は因果関係を明らかにし内容豊かな歴史書を書いたはじめての民族である。彼らは進行の基本としてトーラとよばれる旧約聖書最初の五書を信仰の基本にしている。これはヘブライの諸民族が後述してきた伝説や法律である。前597年のバビロン捕囚以降に書き物としてまとめられた。この伝説を書き記しただけのものがなぜユダヤ教の信仰のよりどころになったのであろうか。それはキリスト教の分離である。紀元前70年に最終的にユダヤ教から分離したキリスト教は瞬く間に信仰数を増やし国家宗教の役割を果たすようになる。改宗を許しているユダヤ教はキリスト教に多くの信者を奪われ、その厳格性ゆえユダヤ教の人口は減ってしまう。ここで危機を感じたユダヤの知的指導者たちはそれまで伝説を書いた物語にしか過ぎなかったトーラを道徳的な共同体のおきてとして作り変えた。それは論理的な一貫性と求心力に満ちていた。だからこそユダヤ人は生き延びえたのである。イスラエルを失いキリスト教の台頭によって地位もあやぶまれたユダヤ教はトーラを心の要塞にしたのである。
    ~イスラエル建国~
    1948年、イスラエルは建国される。最後にユダヤ人の国が滅んだのはBC587年のビロニア王の南ユダ王国であるから2500年ぶりである。イスラエルは迫害を受けてきたユダヤ人の作った砦の役割がある。第二次世界大戦のようにユダヤ人虐殺が繰り返されないためにもイスラエルはユダヤ人にとって失われてはいけない逃げ場所なのだ。現在イスラエル、パレスチナは大きな局面を迎えている。イスラエルが出来た当初からアラブの様々な反発を招いていたが、ここのところ武力衝突が激化している。なぜユダヤ人は砦をもっと治安のよいところに作らなかったのだろうか。
    ①民族の郷土
    民族の郷土の重点はどれくらいユダヤ人が安全に暮らせるかという点に置かれる。そのためアルゼンチン、マダガスカル島などがかつていろいろな折に候補地として挙げられた。しかしそのような候補地に興味を示すユダヤ人がほとんどいなかったのも今までの結果として挙げられる。よって外的からの脅威なしに安全に民族が暮らすという考えはイスラエルを建国する時にあまり考えられていなかったといえる。
    ②シオニストの国
    二つ目はシオニストの国である。そもそもシオニズムとは何なのか。
    聖書の詩篇137編にBC597のバビロン捕囚でバビロニアに連れさられたユダヤ人が「バビロンの川のほとりに私たちはすわり、シオンを思い出して涙を流したとある。」これはシオンの丘、イスラエルという故郷を懐かしむユダヤ人がいかに古くからいたのかということを表している。シオニズムという言葉の語源はシオンからきている。シオニズムは故郷へ帰ろうという回帰運動なのである。
    近代においてシオニズムが盛んになったきっかけは1881年のユダヤ人のロシアでの迫害がきっかけである。
    1800年代のロシアに住むユダヤ人はその頃の帝政ロシア、ツァー政権の下で悲惨な目に会っていた。1804年にユダヤ人は居住区が定められそこでしてもよいこと村に住むこと、村で働くこと、小作人にアルコールを売ることを禁じられたのだ。これにより3分の1が生計を失った。この居住区は1812年に最終的に定められ特権が

    資料の原本内容 ( この資料を購入すると、テキストデータがみえます。 )

    ユダヤ人の民族意識
    ユダヤ人の歴史では国を持った次期はわずかしかない。しかし彼らは国を持っていても、もっていなくてもユダヤ人であり続けた。どこの土地に行ってもその地の民族と同化することは無かった。彼らはアイデンティティを何に見出したのであろうか。また民族意識のもたらしたものとは何か。
    ~旧約聖書~
    ユダヤ人は因果関係を明らかにし内容豊かな歴史書を書いたはじめての民族である。彼らは進行の基本としてトーラとよばれる旧約聖書最初の五書を信仰の基本にしている。これはヘブライの諸民族が後述してきた伝説や法律である。前597年のバビロン捕囚以降に書き物としてまとめられた。この伝説を書き記しただけのものがなぜユダヤ教の信仰のよりどころになったのであろうか。それはキリスト教の分離である。紀元前70年に最終的にユダヤ教から分離したキリスト教は瞬く間に信仰数を増やし国家宗教の役割を果たすようになる。改宗を許しているユダヤ教はキリスト教に多くの信者を奪われ、その厳格性ゆえユダヤ教の人口は減ってしまう。ここで危機を感じたユダヤの知的指導者たちはそれまで伝説を書いた物語にしか過ぎなかったトーラを道徳的な共同体の...

    コメント0件

    コメント追加

    コメントを書込むには会員登録するか、すでに会員の方はログインしてください。