目的
硫酸を触媒として用い、酢酸とエタノールから酢酸エチルを合成・精製する。ガスクロマトグラフィーにより、その収率を計算する。
操作
1) 酢酸エチルの合成
200 ml のナス形フラスコに漏斗を通してエタノール50 ml を入れ、ついで10 ml の濃硫酸を4 回に分けて加え、そのたびによく振り混ぜた。これに酢酸50 ml を加えた後、沸石を2 個入れて還流冷却器をつけ、マントルヒーターで加熱し、20 分間還流させた。
ヒーターの電源を切り、フラスコの外壁に水道水をかけて内容物を冷却した。
2) 酢酸エチルの分離
200 ml のビーカーに80 ml の飽和塩化ナトリウム水溶液を入れ、これにフラスコの内容物を注いだ。ガラス棒でよくかき混ぜてから沈殿の沈降を待ち、200 ml の分液漏斗に漏斗を通して上澄みだけを移し、静置した。2 層に分離した後、下層(水層)を捨てた。
分液漏斗中に残ったエステルに20%炭酸ナトリウム水溶液40 ml を加え、中和させた。
反応が落ち着いてきたら分液漏斗の栓をして逆さまにし、ガス抜きをこまめにしながら上下に振り、反応を完全に終了させた後、静置した。
下層を一旦ビーカーで受け、リトマス紙を用いてアルカリ性を示すことを確かめた後捨てた。エステル層に50%塩化カルシウム水溶液20 ml を加えて振り混ぜ、上と同じコックの開閉操作を行い、静置して下層を捨てた。
3) 酢酸エチルの精製
上層を100 ml の三角フラスコに分液漏斗の上の口から移し、粒状無水塩化カルシウムを約5g加えコルク栓をし、時々軽く振り混ぜながら約20 分間乾燥させた。これを漏斗
上のろ紙でこし分け、ろ液を100 ml のナス形フラスコに受けた。