脊髄反射

閲覧数9,644
ダウンロード数5
履歴確認

    • ページ数 : 5ページ
    • 会員550円 | 非会員660円

    資料紹介

    生理学実験
    脊髄反射
     
    1、目的・緒言                             
    除脳したアフリカツメガエル(Xenopus Laevis Standard)の皮膚に化学的(酸)刺激を与え、それに対する応答を観察し脊髄反射機構の存在を確認する。
     反射は反射弓と呼ばれる反射経路を持ち、それらは①感覚器受容、②求心性神経、③統合性シナプス中枢、④遠心性神経、⑤運動効果器、の5つに分かれる。
     ①感覚器受容ではある種のエネルギーを活動電位に変換する。それは温度や圧力や筋肉の伸張(筋紡錘)などである。
     ②求心性神経は感覚神経とも呼ばれ、感覚器で得られた活動電位を中枢神経系に運ぶ。脊髄へ入る求心性神経は後根を通る。
     ③統合性シナプス中枢では2つ以上のシナプスが働く多シナプス反射(膝蓋腱反射や屈曲反射、交叉伸展反射)と、一つのシナプスが働く単一シナプス反射(筋紡錘)がある。
     ④遠心性神経は運動神経とも呼ばれ、中枢からの活動電位を効果器へと運ぶ。脊髄から出る運動神経は前根を通る。
     ⑤効果器は標的器官とも呼ばれ、通常筋肉である。膝蓋腱反射の際の大腿四頭筋であり、瞳孔の光反射の際の虹彩平滑筋などである。
    2、材料・器具・試薬                          
    アフリカツメガエル(Xenopus Laevis Standard)
    カエル用生理食塩水(0.65%NaCl)
    塩酸(0.01、0.02、0.05、0.075、0.1、0.2、0.5NのHClを含む生理食塩水)
    クランプ、スタンド
    3、方法                                 
    (1) アフリカツメガエルの環椎と頭蓋骨
    との間をはさみで切断し、上顎とともに切除した。
    (2) カエルをクランプでスタンドに固定
    し、垂直に懸垂した。
    (3) 0.01N塩酸を染み込ませた濾紙を右
    半身の背部、及び臀部に貼り付けて
    足で除去しようとするまでの時間を
    測定した。なお、30秒たってもその
    動きが見られない場合は反応なしと
    した。
    (4) 濾紙を取替えて順次塩酸濃度をあげ
    て同様に時間を測定した。
    (5) 右半身が終わった後は、左半身で同様
    の実験を行った。なお、この時右半
    身とは異なり、背部で全ての時間を
    測定した後に臀部での時間を測定し
    た。また、一回ずつ濾紙を貼り付け
    た部位を洗って実験を行った。
    (6) 環椎より注射針を5mmずつ差し入
    れて、脊髄反射が消えるのを観察し
    た。
    (7) 脊髄反射消失後に、腹部を正中切開し
    て坐骨神経を露出させ、電気刺激に
    より後肢の屈曲が起こることを確認
    した。
    4、結果                                      
    ・塩酸を染み込ませた濾紙を貼り付けた時の反射の様子
    塩酸(N) 右半身 左半身 背部 臀部 背部 臀部 0.01 × × × × 0.02 × × × × 0.05 × × × × 0.075 × 29.5秒後 × × 0.1 × 2.35秒後 わずかに動きあり 20.5秒後 0.2 × × × × 0.5 7.8秒後 × × ×
    注:時間はカエルが足を完全に屈曲させたときのものを測定した。
    濾紙を貼り付けた後に30秒たっても動きが無い場合は反応なしとした。
    右半身は背部(0.01)→臀部(0.01)→背部(0.02)→臀部(0.02)→……のように実験を進めた。
      左半身は背部(0.01)→背部(0.02)→……背部(0.5)→臀部(0.01)→臀部(0.02)

    資料の原本内容 ( この資料を購入すると、テキストデータがみえます。 )

    生理学実験
    脊髄反射
     
    1、目的・緒言                             
    除脳したアフリカツメガエル(Xenopus Laevis Standard)の皮膚に化学的(酸)刺激を与え、それに対する応答を観察し脊髄反射機構の存在を確認する。
     反射は反射弓と呼ばれる反射経路を持ち、それらは①感覚器受容、②求心性神経、③統合性シナプス中枢、④遠心性神経、⑤運動効果器、の5つに分かれる。
     ①感覚器受容ではある種のエネルギーを活動電位に変換する。それは温度や圧力や筋肉の伸張(筋紡錘)などである。
     ②求心性神経は感覚神経とも呼ばれ、感覚器で得られた活動電位を中枢神経系に運ぶ。脊髄へ入る求心性神経は後根を通る。
     ③統合性シナプス中枢では2つ以上のシナプスが働く多シナプス反射(膝蓋腱反射や屈曲反射、交叉伸展反射)と、一つのシナプスが働く単一シナプス反射(筋紡錘)がある。
     ④遠心性神経は運動神経とも呼ばれ、中枢からの活動電位を効果器へと運ぶ。脊髄から出る運動神経は前根を通る。
     ⑤効果器は標的器官とも呼ばれ、通常筋肉である。膝蓋腱反射の際の大腿四頭筋であり、瞳孔の光反射...

    コメント0件

    コメント追加

    コメントを書込むには会員登録するか、すでに会員の方はログインしてください。