資料:3件
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血圧調節
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2006/12/21
生理学実習:血圧調節
実験者:windowsxp
共同実験者:Mac
目的:圧受容器(頚動脈洞、大動脈弓)による血圧調節および中枢神経系(+副腎髄質)による循環系支配の理
解を深める。
実験動物:ウサギ(2230 g)
実験準備:
1. ウサギを保定し(保定管を用いて)、耳介静脈からネ
ンブタール(30mg/Kg体重)を注射し麻酔した。
2. 術野の毛を刈り手術台に背位に保定した。
3. 気管カニューレを装着し、左右の総頚動脈および迷
走神経を周囲の組織から分離し(2cm 程度)、糸をかけ
ておいた。
4. 薬物投与用の静脈カニューレを装着した。
5. 大腿動脈に血圧測定用のカニューレを装着した。
測定:
1. 圧トランスデューサー、増幅器、記録計を接続し、水
銀 マノメ ータ ーを用 いて calibration を と った
(0-200mmHg )。
2. 圧トランスデューサーを動脈カニューレに接続し
た三方活栓に接続した。
3. 脈圧が低下してきた場合、カニューレの先が閉塞し
ている可能性があるのでヘパリン入りの生理食塩水で
カニューレ内をフラッシュした。
4. 以下の実験を行った。
1)両総頚動脈閉塞
2)両側迷走神経切断
3)左迷走神経末端電気刺激(5V、1ms、10Hz から
50Hz )
4)アドレナリン投与(10μg/kg体重)
5)アセチルコリン投与(50μg/kg体重)
結果:
表 1 心拍数および血圧の変化
No. 血圧(㎜ Hg)
心拍数
(回/分)
最大血圧 最小血圧
備考
control 300 144.5± 4.5 99.5± 1.5
1)
両総頚動脈閉塞 300 188± 3 130.2± 0.8
心拍数は変化無し。血圧上昇。
閉塞を解除すると controlの状態に回復した。
右迷走神経持ち上げ 270 107.5± 4.5 69
左迷走神経持ち上げ 280 117± 6 76± 3
※切断の際、迷走神経幹を持ち上げることを考慮した control
心拍数・血圧:低下→回復。表は低下した際の数値
右迷走神経切断 290 138.5± 10.5 94.5± 7.5
2)
左迷走神経切断 290 146± 9 104.5± 4.5
心拍数・血圧:低下→回復。表は回復した際の数値
低下時の心拍数・血圧は controlと同程度。
control 290 146± 9 104.5± 4.5 ※2)の左迷走神経切断後と同じ
電気刺激 10Hz 240 149.5± 7.5 97.5± 4.5
電気刺激 20Hz 195 147.5± 7.5 92± 4
電気刺激 50Hz 126 143± 15 78± 12
3)
電気刺激 100Hz
→止めた後
128
420
150± 20
100± 6
82± 8
72± 3
心拍数および血圧ともに低下し波形は不規則。脈圧が大きい。
Frequency を上げる度にその度合いは強くなり、50Hz で最大。
それぞれ刺激を止めるとすぐに control の状態に回復した。
100Hz の場合は例外で刺激の状態から脱出するのが遅い。さら
に controlの状態には戻らず、心拍数は上昇、血圧は低下した。
1 段目 実験 1)。 2 段目 実験 2)control 。 3 段目 実験 2)迷走神経切断(右切断後、左切断)。
4 段目 実験 3)10Hz 、20Hz
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医・薬学
血圧
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循環系
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血圧・心拍数の神経性調節(ラット)
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ラットを用い,迷走神経の刺激や体性感覚刺激,自律神経作動薬を投与した際の血圧・心拍数の変化を観察し,神経性調節の仕組みを理解する.
表1,2や図1,2から,電圧や周波数が大きくなるほど心拍数・血圧の変化が大きいことが分かった.しかし,比例的に変化するのではなく,ある刺激点で大きく変化していた.これは,各段階の刺激に対して興奮する神経の数に差があるためだと思われる.また,実際のデータを見ると,刺激してすぐに変化し刺激を止めるとすぐに回復しており,副交感神経系がすぐに作用する様子がよく分かった.
自律神経作動薬の投与では,どちらも濃度の濃いものほど変化がはっきり表れた(表3,4).アセチルコリンを投与すると副交感神経が作動し,心拍数・血圧ともに下がった.アセチルコリン12.5μ/kgを投与して30秒後に心拍数・血圧が上がっているが,これはアセチルコリンの分解が早いためだろう.心臓に行くまでに分解されてしまい血管にしか働かないため,心拍数よりも血圧によく変化が出たのだと思う.ノルアドレナリンの場合は交感神経に作用し,血圧・心拍数は上昇した.ノルアドレナリンは心臓まで分解されないため,変化は血圧にも心拍数にもよく表れたのだと思われる.
体性感覚刺激では,ブラシ刺激のような非侵害性刺激ではほとんど変化が見られなかったが,ピンチ刺激のような侵害性刺激には,手と足で血圧・心拍数ともに大きく変化した(表5).これは,手足からの刺激の入力が頚椎や腰椎に伝わるのに対し,腹部からの入力は胸椎に伝わり,反応が弱くなるためだと考えられる.今回の実験で,体性感覚刺激に自律神経が関与する様子がよく理解できたと思う.
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