「エビと日本人を読んで」
エビ、それは私がこの世で一番好きな食べ物である。どんな寿司屋に行ってもボイルされたエビしか頼まない。寿司屋のメニューには甘えびやボタンエビもあるのに、ボイルされた質のあまり良くないエビを好んで食べる。そんな私は、この本に書かれている日本のエビ消費者の中でも、冷凍エビにたいして嫌悪感を抱かない現代っ子であると言えるだろう。この本は、エビを獲る人、育てる人、加工する人、売る人、買う人、そしてエビの関係に沿って構成されている。私自身がその中の「買う人」に属しているため、理解しやすく、早く読み進めることが出来た。かなりのエビ消費者ではあるが、エビが胃に収まるまでに、これほど紆余曲折があることをまったく知らなかった。感心すること、初耳なこと、あるいは許せないようなこと、各章で考えさせられる部分が多くあったので掻い摘んで話をしたいと思う。
日本は一人当たりのエビ消費量が世界一であり、輸入量も一位とのことだ。魚の消費量もかなりのものである日本なので驚くことではない。しかし、魚とエビの違いは輸入量にあるといえる。輸入が自由化されてから日本の輸入量一位はエビである。そ...