資料:13件
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裁判員制度
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『裁判員制度を導入することに憲法上問題はないか』
1.裁判員制度
(1)審議会意見書及び裁判員法によると、裁判員制度の骨子は以下のようにまとめることができる。
①対象事件は、法定刑に死刑または無期懲役・無期禁錮を含むなど、一定以上の重大犯罪である。
②裁判官と裁判員は、共に評議し、有罪・無罪の決定及び刑の量定を行う。裁判員は、評議において、裁判官と基本的に対等の権限を有する。
③裁判員が加わる合議体の員数は、裁判官3名、裁判員6名を基本とするが、一定の要件を満たして争いの少ない事件においては、裁判官1名、裁判員4名という構成も可能である。
④裁判員の選任は、選挙人名簿から無作為抽出した者を母体とする。裁判員は、具体的事件ごとに選任され、1つの事件を判決にいたるまで担当する。
⑤裁判所から召喚を受けた裁判員候補者は出頭の義務を負い、裁判員となった後は宣誓、審理立会い、秘密保持、品位保持などの義務を負う。
⑥被告人は、裁判官と裁判員で構成される裁判体による裁判を辞退することはできない。
⑦審理中に新たに裁判員として加わった者がある場合には、公判手続を更新する。
⑧評議における判断は、構成裁判官及び裁判員の双方の意見を含む合議体の員数の過半数の意見による。
(2)この裁判員制度は、要するに参審制度であるといえる。参審制度とは、「一般人から選ばれた参審員と職業裁判官が合議体を構成して裁判する制度」であり、司法への国民参加という点で陪審制と共通するが、陪審が事実問題の判定に限り裁判官とは別個・独立の機能を果たすのに対し、参審制は「素人が職業裁判官と同格の立場で審理判決に関与する」点に特色があるとされる。裁判員制度の骨子②の点が、参審制そのものであることを示すといえる。
2.裁判員制度の問題点
この裁判員制度には、憲法上の問題を含んでいる。憲法は、参審制度について明文を設けてはおらず、また、裁判所において裁判を受ける権利の保障(32条)、司法権が裁判所に属すること(76条1項)、裁判官の職権の独立の保障(76条3項)などを規定する。裁判員制度は、一般国民が司法手続に参与することで、司法の民主化をはかり、裁判に対する国民の信頼を確保するために有益であるとされているが、これらの憲法の規定と抵触するのではないかが問題となる。より細かくみていくと、以下のようなことがいえる。
①裁判員が加わった裁判所は、「裁判所」の具体的内容を定めていると考えられている憲法第6章の内容に沿わないものであり、そのような裁判所は、32条にいう「裁判所」にはあたらないのではないか。
②裁判員という裁判官でない者が加わった場合には、裁判員の関与を可能とするため、その諸状況に応じて簡素で短時間の審理となることが予想されており、また、裁判員の欠員がでたなどの事情によって新たな裁判員が加わり、公判手続の「更新」(継続する審理に新裁判員が途中からそのまま加わるという形のもの)が行われた場合に、実質的に証拠調べの一部分しか知らない裁判員が判断することとなるなど、被告人に不利益となるような場合が存在すると考えられるが、このような場合には、もはや37条にいう「公平な裁判所」による裁判を受ける権利は保障されていいないのではないか。
③新たな裁判員が加わり、公判手続の「更新」が行われた場合に、実質的に証拠調べの一部分しか知らない裁判員が判断することとなるから、31条保障する適正手続に反するのではないか。
④裁判員の加わった裁判所は、76条1項が予想、規定する「下級裁判所」に該当しないのではないか。
⑤裁判員制
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裁判員制度についての感想
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裁判員制度についての感想
裁判員制度とは、一般市民の社会常識を裁判に反映させるために、一定の重大事件について国民に刑事裁判への参加を義務付けるものである。しかし、裁判員制度にはいくつかの問題点が存在する。
第一に、刑事事件における事実認定の困難さである。裁判では、膨大な証拠について検討し、どのような事件であったか、有罪にするべきか無罪にするべきか、といったことを判断していくことになる。つまり、裁判員は供述調書に目を通したり被告人や証人への尋問を聞いたりするのだが、裁判員の多くは裁判に慣れておらず、ましてや3日という短い
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裁判員制度の概要と私見
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?事件に関連する不適格事由(17条1〜10号)
法は、被告人ならびに被害者、およびそれらの関係者(1〜4号)や証人等(5・6号)、あるいは、当該事件における弁護士・検察官などの裁判関係者や捜査関係者(7〜9号)は当該事件について裁判員となることができないとしている。
なお、10号は「事件について刑事訴訟法第266条第2号の決定、略式命令、同法第398条から第400条まで、第412条若しくは第413条の規定により差し戻し、若しくは移送された場合における原判決又はこれらの裁判の基礎となった取調べに関与した者」もこの限りとしている(ただし、受託裁判官として関与した場合は、この限りでない)。
?その他の不適格事由(18条) 準用(19条)
「前条(16条ならびに17条)のほか、裁判所がこの法律の定めるところにより不公平な裁判をするおそれがあると認めた者〔18条〕」は、当該事件について裁判員となることができないとしている。また、13条から18条までの規定(裁判員の選任資格、欠格事由、就職禁止事由、辞退事由、事件に関連する不適格事由及びその他の不適格事由)は、補充裁判員に準用するとしている〔19条〕。
?裁判員が選任されるまでの流れ
抽選で『裁判員候補者予定者』(21条)を経て『裁判員候補者』(23条)になった者が、その必要が生じて具体的事件の裁判員に選任されるには、裁判所における裁判員選任の手続をたどる。まず、一定の『質問票』に回答するよう求められ、さらに、当該事件の裁判長の面接審査がある(30条、34条1項)。この段階において、前述の『不適格事由(15条)』や『辞退事由(17条)』への該当性がはじめて確認される。
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裁判員制度を採用することに憲法上問題はないか。
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1.裁判員制度とは
平成16年6月21日に「裁判員の参加する刑事裁判に関する法律」(以下、裁判員法と称する。)が成立し、同年同月28日の公布日より5年以内の施行が予定されているが、この裁判員制度とは、国民の中から選ばれた裁判員が刑事裁判に関わる制度である。
その具体的な内容は、重罪事件に限って原則として6名の裁判員が3名の職業裁判官と共に地方裁判所を構成し(裁判員法2条1項、2項)、合同で「双方の意見を含む合議体の員数の過半数」をもって事実の認定・法令の適用・刑の量定を行う(裁判員法6条1項)制度である。そのため、有罪とするには裁判員だけの過半数では足りず、少なくとも一人の職業裁判官の賛成が必要となる(裁判員法67条1項)。
2.陪審制・参審制と裁判員制度
(1) 陪審制は、英米法体系の国々で発達してきた制度であり、いわゆる大陪審(起訴陪審)と小陪審(審理陪審)とに分類されるが、後者が固有の陪審制とされる。この陪審制とは、市民の中から選ばれた陪審員が職業裁判官とは別に機関を構成して審理に参加し、職業裁判官の関与なしに法廷に提示された証拠に基づき、単独で事実認定を担当し、法律問題については職業裁判官に任せる制度であり、両者の役割が分離されているところにその特徴がある。
(2) 一方、参審制はヨーロッパ大陸諸国において発達してきた制度であり、陪審制のような役割分担を前提とせずに、職業裁判官と市民とが協力して審理を担当し、判決も合議によって出される制度である。職業裁判官と市民とが一つの合議体を形成し、両者が同等の権利義務をもって裁判を行うところに参審制の特徴がある。
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