ペスタロッチの教育学について
ペスタロッチーの教育学(直感の原理など)について考察せよ。
ペスタロッチーはスイスの大教育者であり、近代教育の父である。しかし、彼の生涯は一言で言えば挫折の連続に他ならない。理想実現のために活動しつつも何度も裏切られ、それでも挫折することなく農業、学校経営、執筆活動に全力で取り組んでいったその生涯。晩年もペスタロッチーに対する罵倒の書が刊行されたりと、最後の最後まで挫折の繰り返しであった。だが、彼の教育思想は、この生涯から生まれた。
人間、子どもに基づいて教育を考え、子どもの「生活の要求ないし必要性」あるいは「わが事としての目的活動」に基づく主張をし、生きる働きの育成を目指したのがペスタロッチーである。ペスタロッチーの教育の特徴は、人間の主張にある。その人間の主張は生きることの問題であり、生きる働きの成長発展の問題のほかならない。生きる働きの成長発展は、内容的には社会的により良く生き抜くことのできる人間、自主的人間、創造的人間への成長発展である。しかし、このことは個性化され、創造的になることによってのみ可能となる。そして個性化、創造化は、外から作られるものではなく、自己改造ないし自己...