構造づくりとしての組織能力の構築

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     構造づくりとしての組織能力の構築
     「すかいらーく」は株式会社ことぶき食品が、1970年に東京都国立市に郊外型のレストランとして、養子に出ていた次男の茅野亮を中心とする横川4兄弟がオープンさせたのが歴史の始まりである。
     ファミリー・レストランという産業そのものを創造した企業であるすかいらーくであるが、1972年からの5年間で20%以上と非常に高い年間平均成長率をほこり、参入障壁も高くはなく、急激に拡大していた外食産業の中でリーダー企業としての地位を脅かされることはなかったのはなぜだろうか。
     時代の「追い風」はすかいらーく以外の他の企業にとっても同じように吹いていた。個別の戦略行動をとってみても、参入した企業のとっている戦略自体は似たり寄ったりであった。そのなかですかいらーくが優れていたのは、競合他社がまねしようとしてもまねをすることが難しいようなその企業の独自な能力「組織能力」の構築を徹底的に追及し、この1点にあらゆる個別の戦略行動を収斂させたことにあったのである。
     すかいらーくは1970年のオープン当初から大繁盛した。しかし茅野は大規模展開を急ぐことはなく、様々なセグメントを...

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