年々、地方と都心部の格差が広がっている。その理由として地方では少子化、高齢化の影響により過疎化が進み税を納める人の減少に加え、医療・介護費の増加により地方財政は圧迫されているにもかかわらず、都心部には高所得者が集まっているからである。
中央集権から地域分権へ時代の風はその方向へ吹いているはずだが、現状ではなかなかそうはいかない。一方でUターン、Iターンを志す人も増えており、収入だけに一元化できない地方生活の豊かさ、魅力もあらためて再認識されている。こうした現状のもとで、ソフト・ネットワーク系、電気・電子・機械系、素材系のエンジニア約2000人に居住する地域と年収を尋ねたのが以下のデータである。
エンジニア平均年収の地域格差は最大幅100万円以上
「30歳・大卒以上」というモデルでは、関東地区は平均年収553万円なのに対し、北信越が450万円と年収の開きの最大幅は100万円以上に上っている。この格差は、大規模製造業や情報関連産業の地域分布とほぼ見合う数字である。基本的に事業所
の数が多ければ、その間で競争が行われ、それが賃金の押し上げにもつながると考えることができるからである。また全国に...