「ブランドと現代社会」
~ ルイ・ヴィトンにみるブランドイメージ変容の可能性~
・序論
本論文では、海外高級ブランドであるルイ・ヴィトンのブランドイメージに着目する。
ルイ・ヴィトンブランドがここ日本では庶民までもが持ち、浸透しているという状況は「高
級ブランドが庶民化している」と考えることができる。「高級ブランドが庶民化している」
という考えに付随して、本来、ルイ・ヴィトンブランドが持っている伝統やステータス、
高級感、希少性などのブランドイメージが変容している可能性があるのではと考えた。
本論文では数ある海外高級ブランドの中でも、日本市場で最も支持されているルイ・ヴ
ィトンのブランドイメージが変化していると捉えることが可能ではないだろうかという事
象に焦点を当てて、考察する。
第1 章は日本国内におけるルイ・ヴィトンを始めとするブランドの普及、及び認識状況、
を提示しその理由を考察する。
第2 章はルイ・ヴィトンの歴史と日本国内において成長を遂げる売上高推移を考察する
第3 章はルイ・ヴィトンブランドが大衆化していると認識できる具体例、データを使用
し、ルイ・ヴィトンが大衆化を遂げ、ブランドイメージが変容している可能性を指摘する。
第4 章は大衆化したブランド、ルイ・ヴィトンのこれからと高級ブランドブームから現
代社会について考察して結びとする。
第1 章「日本に広がるブランド市場」
(1)伸びる海外高級ブランドの売上高-日本が重要なマーケットに-
(1)‐1 増加するブランドショップと売上高
日本における海外高級ブランドの出店ラッシュの現状は、日本をビジネスの重要拠点と
して考えている表れとして捉えることができる。事実、海外高級ブランドが日本において
売り上げを伸ばしている現状が存在する。
(2)ブランド礼賛社会、日本
(2)‐1 ルイ・ヴィトンを取り巻く日本の現実
日本国内においてはブランドリサイクルショップの増加、ルイ・ヴィトン製品の偽物を
求める人が存在するという事実や、ルイ・ヴィトンの表参道店がオープンする際には多数
の人間が寝泊りして、限定品を手に入れようとしたという現状からは日本人のルイ・ヴィ
トンに対する執着、ブランド物に対する執着が見てとれる。
(2)‐2 日本人のブランドに対する実態、状況
セゾン総合研究所SRI ニュースNO.29(03 年1 月7 日)では首都圏在住の20~60 代の
社会人男女1048 人を対象に行った「海外高級ブランドのイメージと所有実態」のアンケー
ト調査結果からは、ブランドに対して全体の3 分の1 が特別なブランドと捉えている。
また、別のサンプル数で行ったアンケートの結果においては、ルイ・ヴィトンは消費者
に対してブランド認知、イメージのカテゴリーで他の高級ブランドよりも優れていると捉
えることができ、日本人のルイ・ヴィトンに対する支持の大きさが見て取れる。
(3)日本においてブランド品が売れる理由
(3)‐1 日本経済と縮小する高級ブランド市場
高級ブランド市場が縮小し、景気が落ち込んでいる状況の中、ルイ・ヴィトンを始めとす
るエルメス、グッチグループなどの売り上げが日本では伸びている。
(3)‐2ブランドを支えるもの
高級ブランド市場を支える一つの要因として高級ブランド品を買うという行為が人々に
とって閉塞した日本社会において、日常生活の“癒し”的な位置づけとして存在し、人間
の精神的なものに起因していることが挙げられる。
また、従来はステイタスシンボルだった物が庶民層の所得水準の向上
「ブランドと現代社会」
~ ルイ・ヴィトンにみるブランドイメージ変容の可能性~
・序論
本論文では、海外高級ブランドであるルイ・ヴィトンのブランドイメージに着目する。
ルイ・ヴィトンブランドがここ日本では庶民までもが持ち、浸透しているという状況は「高
級ブランドが庶民化している」と考えることができる。「高級ブランドが庶民化している」
という考えに付随して、本来、ルイ・ヴィトンブランドが持っている伝統やステータス、
高級感、希少性などのブランドイメージが変容している可能性があるのではと考えた。
本論文では数ある海外高級ブランドの中でも、日本市場で最も支持されているルイ・ヴ
ィトンのブランドイメージが変化していると捉えることが可能ではないだろうかという事
象に焦点を当てて、考察する。
第1 章は日本国内におけるルイ・ヴィトンを始めとするブランドの普及、及び認識状況、
を提示しその理由を考察する。
第2 章はルイ・ヴィトンの歴史と日本国内において成長を遂げる売上高推移を考察する
第3 章はルイ・ヴィトンブランドが大衆化していると認識できる具体例、データを使用
し、ルイ・ヴィトンが大衆化を遂...