1、社会的養護
我が国では、保護されるべき子どもたちを守り育てるしくみとして社会的養護がある。社会的養護は、「施設養護」と「家庭的養護」に大きく分けて考えられる。「施設養護」は、児童養護施設や乳児院等があり、主に大舎制の集団養護を行っている。一方、「家庭的養護」には、里親や養子縁組などがある。これまでは、児童相談所から児童福祉施設へと措置される施設養護の流れが主流になっていた。しかし、近年の虐待問題の深刻化により、今までの集団養護では個別的な援助が難しくなっていた。そのため、少人数の大人が継続的に養育に関わる事ができる家庭的養護「里親制度」の必要性が見直されている。
2、里親制度について
里親制度とは、保護者のいない児童又は保護者に監護させることが不適当であると認められる児童を、委託された里親が養育することである。里親制度では、里親を4種に分けている。「養育里親」は、原則満18歳まで児童を養育することが出来る。しかし、必要に応じて児童が20歳になるまで延長する事ができる。「親族里親」は、両親が養育できない場合(死亡や行方不明など)、児童の3親等以内の者が代わって養育をする。「短期...