性犯罪受刑者の出所情報の公開については二〇〇四年十一月十七日に起きた奈良市の女児誘拐殺人事件が発端とされる。この事件を契機にして、児童に対する性犯罪者の情報の登録や公表が問題とされるようになった。英米では既に「メーガン法」として一九九〇年代に多くの州で制定・導入されている。このメーガン法の導入に関して政府は消極的である。この事件を契機にして、法務省と警察庁の間で話し合いが持たれ、性犯罪者が出所した場合に法務省が一定の情報を警察庁に提供する制度が創設されることとなった。だが、アメリカのように性犯罪者に一定の情報を登録させて全国的に管理するようなシステムは構築されていない。ましてや性犯罪者の情報...