「美術嫌いになる原因を具体的事例からさぐり、楽しい・わかる・できる授業を通して好きにさせるための手立てを、学習指導要領の目標及び内容・方法と関連づけて述べなさい。」
図画工作科の目標は、「表現及び鑑賞の活動を通して、つくりだす喜びを味わうようにするとともに造形的な創造活動の基礎的な能力を育て、豊かな情操を養う。」である。
美術教育において、教師が「描かせたい」絵を、子どもに指導や、逆に誤った心理主義に基づく解放主義にとらわれた指導が少なからず見られる。しかし、このような教育では、子どもに美術の楽しさや喜びを見出すことは難しいと考えられる。美術を好きにさせるには、子どもに、興味・関心、意欲、態度というものを、目指すべき学力として位置づけるとともに、楽しさや喜びを軸とした学習活動を行っていかなければならない。つまり、子どもたちが自ら「描きたい」「作りたい」「美しさを感じたい」という気持ちが、美術を好きという気持ちにつながると考えられる。
では具体的に美術嫌いになる原因を考察する。幼児や低学年の児童のほとんどが絵を描くことを好きと答える。しかし、年を重ねると共に絵を描くことが嫌いになる子供...