1.シリコンの真性フェルミ順位を-78℃、27℃、300℃について求めよ。また、禁制ギャップの中央にそれがあると仮定するのは妥当か。
の式に 、 、 を各温度[k]において代入する。
(ⅰ)T=195[k]
(ⅱ)T=300[k]
(ⅲ)T=573[k]
まず、シリコンのエネルギーギャップは1.11[eV]程度である。これに比べて中央からの差異が数%程度であるので、ほぼ中央にある。よって、禁制ギャップの中央にあると仮定するのは妥当である。
2.1×106[1/cm3]のホウ素がドープされたシリコンのエネルギーバンド図を次の各温度について、それぞれ描きなさい。
※バンドの上端、下端、真性フェルミ順位、実際のフェルミ順位を真性フェルミ順位を基準として描くこと。
(a)-78℃、(b)27℃、(c)300℃
図1 キャリア密度の温度依存性
図1より、約100[k]から300[k]までは電子密度は温度が変わっても変化せず、ドープされたアクセプタ密度で決まる一定値(1×106[1/cm3])を保つ。そして、400[k]を超えると価電子帯から伝導体への電子励起が優勢となり始め、ついにはドナー密度...