「少子化」の要因と児童に及ぼす影響について述べよ。
1 少子化を起こす要因
少子化は1955年頃から始まったとされ、戦前は一世帯あたりの平均子ども数が5人以上だったのが、この年以降に3人を下回るようになり、合計特殊出生率が1.32~1.33人となり、人口維持するのに必要な2.08人を大幅に下回るといった状態が続いている。原因として、結婚時期が年々遅くなっており、全体的に晩婚化している事があがる。女性の高学歴化や社会進出に伴い、専業主婦よりも安定している専門的職業につき、いつまでも社会で仕事を続けたいという考えが主流化してきたのだ。その結果が晩婚化を起こしているのだ。1955年頃の平均初婚年齢は、男性26.6歳で、女性は23.8歳であったが、 近年では男性30.0歳で、女性は28.2歳となり、女性の初婚年齢が上昇している。晩婚化は出産するタイミングの遅れや、20代で子どもを生む女性が減少し、全体の出生率に影響を出している。そして、非婚率の上昇があり、婚姻関係や子育てに拘束されるよりも、一人の人間としての自由や社会的自立を求めているのだ。国立社会保障・人口問題研究所の「出生動向基本調査」によれば、結婚をするつもりがないと考えているのは男女共に増加をしていて、結婚をして新しく家庭を築く事がかならずしも幸せであるという考えが無くなったと言えるのだ。将来に対する不安なども、「独りで生活をしていけるだけの生活力をもてれば良い」といった考えをもつ人も増えてきている。それは高齢者の施設が充実し、家族だけが老後の面倒を看てくれるといった定義が崩れ、施設入所といった形を望んだほうが気楽だと考えているのだ。また、結婚しても、子どもを生む選択をしない場合や、子どもを一人しか生まないといった夫婦も多くなってきた。愛情の全てを注ぎ過保護に育て、習い事などの教育費を充実させているのだ。また、親にとって子育てとは、経済的な負担だけではなく様々な負担がかかってくる。子育てにより自分の時間が無くなったり、相談相手がいないために抱える精神的な負担や身体的負担、そして女性の社会における自己実現志向などが背景にある。
かつてはある年齢になったら結婚をし、子どもを生み育てるといった考えが主だったが、今は結婚や出産については当人達の選択であると考えかたが大きく変化してきた。これは良い意味でも悪い意味でも自己責任で家庭の形を決めていくという事でもあるのだ。
2 児童福祉に及ぼす影響
少子化は、子どもの健全な成長や発達に影響をだしている。子どもの遊び相手の減少により、遊びのあり方も変化してきた。多くの友人や兄弟などと野外で体を動かし、自分達で遊びを考え工夫する力を育んできた昔に比べ、遊び仲間がテレビやゲームなどに変化し、遊びを考えなくなってきた。そのため、創造力や思考力、問題解決能力などの人間として生きていく為の基本的な事や、知識や常識など人間関係に影響を出す力が低下してきている。そのため、子ども達は集団社会に対して対応ができなくなり、コミュニケーション力が養えない。この希薄化が人間不信などの感情を抱かせ、相手に無関心となっていったり、上手く付き合っていけない事への苛立ちから苛めや暴力などに進んでいく事もあるのだ。つまり、大人達がより豊かな人生や自己充実を求め意欲的な活動をしているのに対し、子ども達の世界からは生産的、創造的、活動的な遊びが消え逆行するような形で個人的、静的、受動的な方向に進んでいると言える。子どもの遊びが集団で活発的なものだったのに対し孤独で受け身的なものと変化をし、心身共に弱
「少子化」の要因と児童に及ぼす影響について述べよ。
1 少子化を起こす要因
少子化は1955年頃から始まったとされ、戦前は一世帯あたりの平均子ども数が5人以上だったのが、この年以降に3人を下回るようになり、合計特殊出生率が1.32~1.33人となり、人口維持するのに必要な2.08人を大幅に下回るといった状態が続いている。原因として、結婚時期が年々遅くなっており、全体的に晩婚化している事があがる。女性の高学歴化や社会進出に伴い、専業主婦よりも安定している専門的職業につき、いつまでも社会で仕事を続けたいという考えが主流化してきたのだ。その結果が晩婚化を起こしているのだ。1955年頃の平均初婚年齢は、男性26.6歳で、女性は23.8歳であったが、 近年では男性30.0歳で、女性は28.2歳となり、女性の初婚年齢が上昇している。晩婚化は出産するタイミングの遅れや、20代で子どもを生む女性が減少し、全体の出生率に影響を出している。そして、非婚率の上昇があり、婚姻関係や子育てに拘束されるよりも、一人の人間としての自由や社会的自立を求めているのだ。国立社会保障・人口問題研究所の「出生動向基本調査」に...