「精神障害者を対象とした集団援助技術について述べよ」
1 精神障害者の疾病及び障害の特徴について
精神障害者の疾患は、病気が改善しても新たな不安やストレスが生じると病気が再発・再燃しやすい。そしてさまざまな生活環境の変化が生活上の障害を増大させ、それのよって生活不安が増大し、病気を悪化させることにつながるといったように、障害の変化が病気に影響する。このように病気と障害の関係が、相互に影響するということから「疾患と障害の共存」というとらえ方もある。
その他にも「対人関係の不得手」とか「臨機応変さのなさ」ということがいわれているが、これは小規模作業所や授産施設といった、保護就労の場から一般就労の場への移行時に、新たな環境に対する不安が生じ、対人関係がうまくいかないことがあるという状況からで、環境から受ける「ストレスに対する脆弱性」といった特性を有している。そして精神障害者が生活していく上で、ほとんどのことに関係してくるのが「意欲をもちにくい」ということである。精神障害は中途発症であることから、発病までの過程で描いていた夢や希望を、精神障害ゆえに絶たれるといった社会環境が、意欲をもちにくく...