「精神障害者のケアマネジメントについて述べよ」
1 ケアマネジメントの歴史的展開について
ケアマネジメントとは、障害者の生活ニーズに基づいたケア計画に沿って、様々なサービスを一体的・総合的に提供する支援方法である。障害を持った人たちが住み慣れた地域の中で安心して生活し、自分らしい生き方を模索していくには、障害者自身やその家族がもつ複数のニーズと社会資源を結びつけるために援助技術が必要なのである。
ケアマネジメントがケースワークと異なる点は、発生している個々のケースに対して、ケースワークを含めたグループワーク、コミュニティーワークなど、総合的・包括的な支援体系を活用することでマネジメントが行われる点である。また、多くの分野に関わる専門職がチームアプローチの手法を持って要支援者が地域社会で生活できるように支援していくところが特徴である。
ケアマネジメントの起こりは、イギリスでは1950年代、アメリカでは1970年代でみられる。どちらの国も精神障害者を対象として発展し、それまであった入院治療という支援方法を見直し、自分が住む地域内でケアを受けながら暮らしていける脱施設化を目指した。これに...