(1)現行の「小学校学習指導要領」の第1章総則の第1「教育課程編成の一般方針」の2には、道徳教育は「学校の教育活動全体を通じて行う」ものである記されている。小学校では週に1時間「道徳の時間」設けられているが、道徳はそこだけで教えられるものではない。また、「道徳性の育成が図られるように配慮しなければならいない」ともある。つまり、道徳教育の目標とは、「学校の教育活動全体を通じて道徳的な心情、判断力、実践意欲と態度などの道徳性を養うこと」なのである。
「小学校学習指導要領」の第3章「道徳」の第3「指導計画の作成と各学年にわたる内容の取り扱い」には、「道徳教育の全体計画を作成するものとする」と記されている。道徳教育における全体計画とは、「各学校で取り組まれるべきはずの道徳教育の基本的な方針を示したもので、学校の教育活動全体を通して、道徳教育の目標を達成するための方策を総合的に示した教育計画」(「学校道徳教育入門」渡邊弘、140ページ)である。各学校においては、この全体計画を下に児童の道徳性を養う道徳教育を展開していくことになるのである。
では、道徳の時間はいったいどのような位置づけとなっ...