インド古典舞踊 バラタナティアム
目次
Ⅰ 研究動機
Ⅱ 本論
1.インド古典舞踊とは
2.バラタナティアムとは
○成り立ちと今にいたるまでの歴史
○踊りについて~表現方法~
3.インド伝統音楽について
○カルナタカ音楽
○使用される楽器
4.宗教とバラタナティアム
○ヒンドゥー教
○ナタラージャ(シヴァ神)について
Ⅲ まとめ
Ⅳ 参考文献
Ⅰ 研究動機
私が、インド舞踊に興味をもったきっかけは、以前、インド映画を見たことだ。映画中で繰り返し映し出された踊りの優雅さと神秘的な表情、衣装の美しさ、そして、独特な旋律をもつインド音楽に興味をひかれた。また、インドは古くから文明が栄え、特に、宗教的な性質を持つ文化が発展してきた。私は、宗教についても興味があったため、宗教との関係性を見出せるテーマをと考え、インド古典舞踊である「バラタナティアム」をテーマにした。そして、研究を開始する前、実際に研究の参考にするため、バラタナティアムの映像を見たときには、脚色された映画の中の踊りとは違った物語性のある踊りと、繊細な動きの一つ一つに圧倒させられ、バラタナティアムに対する興味が深まった。また、音楽にも、映画とは違った落ち着きと、神秘さがあり、演奏している楽器や、旋律についても研究することにした。さらに、資料を集めるうちに踊りの題材として、シヴァ神が頻繁に登場していることに気がつき、バラタナティアムと宗教との関係を関連付けて研究することにした。
この研究において、私は、バラタナティアムを中心として、インドの歴史、宗教といったものが、インドの民族文化を作り上げる上でどのように作用しあっているのかを明らかにし、民族文化が、我々人間にとって、どのような役割を果たしているのか、ということについて考えたい。
Ⅱ 本論
1.インド古典舞踊とは
インド舞踊は世界最古の舞踊と言われており、その起源は四千年前までさかのぼる。インド舞踊は、純粋な意味の舞踊としてではなく、人と神との交流手段として発達し、感情や精神を微妙に表現し得る優れた踊り手と、「ヴェーダ」Veda (古代インド、バラモン教の聖典の総称)によってのみ、神に応えて舞うと考えられてきた。そのため、わずかな目の動き、手の動きにもそれぞれ意味が、そして魂が込められている。ここが西洋のバレエなどと異なる特徴である。インド舞踊は、踊り手がソロで踊るいわゆる“舞踊”、さまざまな役をもった踊り手が登場し、演じられる“舞踊劇”、そして地域色豊かな“フォークダンス”の3つに分けることができる。『ナーティヤ・シャーストラ』などの理論書に大きく依存しているものが舞踊として、それらの理論にとらわれないものがフォークダンス(民俗舞踊)としてみなされている。インドには数々の舞踊があるが、そのうちのバラタナティアムBharatanatyam、カタカリKathakali、カタックKathak、マニプリManipuriの4つが、インドの四大古典舞踊とされている。そして、最近ではこれらに加えて、クチプディKuchipudi、オディッシーOdissi、モヒニアッタムMohiniyattamも古典舞踊として認められている。いずれの舞踊にもそれぞれ大きな特徴があるが、その中でも共通する踊りの要素として、「ヌリッタ」と「ヌリティヤ」がある。ヌリッタとは、特に意味をもたない純粋舞踊の部分のことで、歯切れの良いリズムを踏み鳴らすステップの集合。一方、ヌリティヤとは、手話の単語のような手
インド古典舞踊 バラタナティアム
目次
Ⅰ 研究動機
Ⅱ 本論
1.インド古典舞踊とは
2.バラタナティアムとは
○成り立ちと今にいたるまでの歴史
○踊りについて~表現方法~
3.インド伝統音楽について
○カルナタカ音楽
○使用される楽器
4.宗教とバラタナティアム
○ヒンドゥー教
○ナタラージャ(シヴァ神)について
Ⅲ まとめ
Ⅳ 参考文献
Ⅰ 研究動機
私が、インド舞踊に興味をもったきっかけは、以前、インド映画を見たことだ。映画中で繰り返し映し出された踊りの優雅さと神秘的な表情、衣装の美しさ、そして、独特な旋律をもつインド音楽に興味をひかれた。また、インドは古くから文明が栄え、特に、宗教的な性質を持つ文化が発展してきた。私は、宗教についても興味があったため、宗教との関係性を見出せるテーマをと考え、インド古典舞踊である「バラタナティアム」をテーマにした。そして、研究を開始する前、実際に研究の参考にするため、バラタナティアムの映像を見たときには、脚色された映画の中の踊りとは違った物語性のある踊りと、繊細な動き...