連関資料 :: 中英語期にイングランドに入ったフランス語の種類について述べよ。

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  • 英語イングランド入っフランス語種類について述べよ。
  • 「中英語期にイングランドに入ったフランス語の種類について述べよ。」   英語の語彙の構成を考える上で、フランス語の影響は甚大なものがある。Philipp Aronsteinによればゲルマン語系の単語は全ボキャブラリーの35%ほどであり、残り65%はフランス語、あるいはフランス語を通じて入ったもの(ラテン語、ギリシャ語、イタリア語等)であるという。では中英語期においては具体的にいつ頃、どのような経緯で、英語の語彙はフランスからの影響を受けたのだろうか。その結果はいかなる語彙変化を生んだのか。 本稿では、中英語期(ME時代)に入ったフランス語の種類を大別しながら各々の詳細を、テキスト(「英語の歴史」大修館書店)に挙げられている好例を含めながら述べていきたい。 中英語期に入ったフランス語は、元来はノルマンディ地方の方言である。それはイギリスの島で使われたフランス語であることから、アングロ・ノーマン(以下AN)あるいはノーマン・フレンチ(NF)、またはアングロ・フレンチ(AF)と呼ばれている。一方で、後にイングランドに流れ入ってきたパリ中心のフランス語はセントラル・フレンチ(中央フランス語;以下CF)と呼ばれている。前者と後者の間には、語形で音韻に違いがある。 それでは以下、アングロ・ノーマン(AN)系の単語の持つ特徴をそれぞれ記す。  AN【1】:フランス国内では、フランス語自体に音韻変化が起こったのであるが、その変化した時期以前にアングロノーマンを通じ英語に入ってしまっていた単語には、その変化の影響が見られない。それゆえ、変化以後にセントラル・フレンチ(パリ中心のフランス語)を経由して流入した同一語源の単語とは、語形や意味の上で違ってくる場合がある。 “doublet”と呼ばれるそれらの語彙としての好例はhostelとhotelであろう。両者のオリジナル語は、9世紀から13世紀のフランス語(Old French;古フランス語)であるのだが、フランス国内において12世紀末葉から、子音の前の”s”が消滅するトレンドが広まった。それゆえ、そのフランス国内の変化が生じる前に入っていたAN系の単語はその音韻変化の影響を受けず、hostelは”hotel”とならずにhostelのまま残されたのである。 それとは別に17世紀頃、当時フランス語で使われていたhotelが英語の中に入ってきたため、18世紀以降、hotelは今日で云う「ホテル」の意味として使われることになった。対して、ME期以来「宿屋」として使用されてきたhostelは、今日においては「ユースホステル」の意味で用いられることが一般的となった訳である。ちなみにこの英語のdoubletは現代日本にもそのまま入っている。 AN【2】:ME時代末、具体的には15世紀に、英語世界では大母音推移(Great vowel shift)が起こった。それゆえ、大母音推移以前に既にイングランドに入っていた語彙と、それ以後に入った語彙の間には顕著な相違が見られるのである。 大母音推移以前に既に入っていたAN系の借用語は、その変化の影響を受けてより英語的な発音になったのであるが、16世紀以降に流入してきたCF系の借用語はその変化を受けなかったため、オリジナルの発音を残している。大母音推移の特徴のひとつは、主要音節の長母音【i:】が二重母音【ai】となることであり、たとえば私:i(長母音)が、Iになるといった変化である。 一方でpolice(警察)は【ai】とならずに【i:】のままであるから、15世紀の大母音推移の影響を受けてい
  • レポート 語学 中英語期 フランス語の種類 イングランド 佛教大学 大母音推移
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