中英語期にイングランドに入ったフランス語の種類について述べよ。
中英語期にイングランドに入ったフランス語の種類について述べよ。
英語の語彙の中で、ゲルマン語系の単語はその全語彙の約35パーセントを占めるに過ぎない。残りの65パーセントは外来語であり、そのうち多くがフランス語、あるいはフランス語を通じて入ったもの(ラテン語、ギリシャ語、イタリア語)であるという。英語はフランス語の影響を非常に強く受けているのである。
英語学者オットー・イエスペルセン(Otto Jespersen,1860-1943)による研究によると、ME時代に英語に入ったフランス語の語彙全体に占める割合は1250年頃から急にその借用語が増えたことを分析した。その背景に、それまでフランス語を話していた上流階級が英語を話し出すようになりフランス語系の単語が英語に流入したことが挙げられる。
ME時代に入ったフランス語は、元来はノルマンディー地方の方言だが、イギリスの島で使われたフランス語であることから、アングロ・ノーマン(AN)、ノーマン・フレンチ(NF)、アングロ・フレンチ(AF)と呼ばれている。このANから英語に入ったものに対して、後にパリ中心のフランス語であるセントラル・フ...