中国黄土高原農村の暮らし

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    中国黄土高原
    農村の暮らし
    行政単位
     中国の行政単位は日本とは異なり、なかでも、市の下に県がくるのはなかなかなじめません。私たちの緑化協力の拠点である環境林センターと霊丘自然植物園の所在地を例に、説明してみましょう。このふたつの住所を国名から順に書くと、つぎのようになります。
    (環境林センター)中華人民共和国-山西省-大同市-南郊区-平旺郷-平旺村-果園。
    (霊丘自然植物園)中華人民共和国-山西省-大同市-霊丘県-上寨鎮-南庄村-流黄水。
     「省」のレベルでは、北京、天津、上海、重慶といった直轄市と少数民族地域の自治区が省に代わることがあります。また、最近では周辺の農村部を含めて範囲を拡大した「市」が増えていますが、これといった都市を含まない農業地域では、行政的には市と同格の「地区」が存在しています。市の下には市街地や郊外からなる「区」と農村部の「県」が存在し、地区はいくつかの「県」からなっています。これらの県のなかに「市」を名乗る「県級の市」が生まれたことにより、市といっても、省と同格の市、市級の市、県級の市の3つが存在することになりました。省と同格の自治区のなかにはまた異なる行政単位が存在しますが、ここでは触れません。
     県もしくは区の下には、「郷」もしくは「鎮」があります。あるていどの人口密集地や農業以外の産業を抱えたところが鎮で、農業だけのところを郷というのがもともとの区別ですが、実際にはその後に大きな変化があっても、呼び方は以前のままということも少なくありません。
     郷もしくは鎮の下に、村が存在します。村には行政の末端としての行政村と、自然の集落としての自然村とがあります。植物園建設地の南庄村は行政村で、流黄水は自然村でしたが、流黄水は10年ほど前に住民がいなくなりました。
     大同市には、県が7つ(左雲県、大同県、陽高県、天鎮県、渾源県、広霊県、霊丘県)と、区が4つ(城区、鉱区、新栄区、南郊区)あります。 緑の地球ネットワークの協力は現在では4区7県の全域に広がっています。
     1つの県の面積は1,500平方kmから2,500平方kmくらいで、人口は15万人から40万人です。農村県の平均の人口密度は1平方kmあたり130人ほどですが、渾源県のように200人を超すところもあります。
     県の下の行政単位が郷もしくは鎮ですが、その面積は大ざっぱに100平方km前後、人口は5,000人から20,000人くらいになります。
     1つの郷・鎮には、たいてい10~20くらいの村があります。小さい村だと100人未満、大きな村だと1,000人を超す人が住んでいます。例外的には1万人を超す村もあります。
    住居
     大同市北部では、窰洞(ヤオトン)と呼ばれる伝統的な住居が多く見られます。昔ながらの、山の斜面に掘った横穴式のヤオトンは現在ではあまり見られませんが、それを平地に持ちだした形のものは健在です。アーチ型の天井と分厚い壁を持ち、断熱性にすぐれているので冬暖かく夏涼しいこの建物は、この地方の気候に適した建築なのです。
     しかし、89年、91年、99年と10年間に3度もあった地震、95年の水害で、土づくりの窰洞はたくさん倒壊し、ずいぶんと少なくなってしまいました。かわって建ったのは、レンガづくりの住居です。
     渾源県、霊丘県など南部ではちょっと違った建築がみられます。石を積み土を塗った壁に、優美な曲線を描く瓦屋根をもった建物です。隣の河北省にも、同じような建築があります。
    情報提供先→  http://homepage3.nifty.com/gentree/kurasi.html

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