近年、児童虐待の件数は急激に増え、深刻な社会問題となっている。行政やマスコミ、関係団体による啓発運動により、虐待問題に対する理解や関心が高まったことで、潜在化していたものが明るみに出たケースも少なくはないが、様々な心理的・社会的要因により虐待そのものが増加しているのは確かである。
児童虐待について、児童虐待防止法の定義では、①児童の体に外傷が生じる又は、生じる恐れのある暴行を加える身体的虐待、②児童にわいせつな行為をする又は、児童にわいせつな行為をさせるなどの性的虐待、③児童の心身の正常な発達を妨げるような著しい減食や長時間の放置などのネグレクト、④児童に対し著しい暴言または拒絶反応などにより...