第二次世界大戦時に開発されたオーディオ・リンガル・アプローチ(AL法)は一世を風靡したが、やがて教育現場から批判が出されるようになった。それは、
正確な発音と言語操作能力は身につくが、文の意味や文を使う状況・場面が問題にされないため、コミュニケーション能力が身につかない。
初級段階から音声の正確さや流暢さにこだわるため、学習者は萎縮することがあり、学習のモチベーションが下がることもある。
口頭練習中心で文字教育が遅れる。学習者の文字への関心が無視されることになり、一部の学習者に不安感を与える。
である。これらの批判を通して新しい教授法が開発された。
トータル・フィジカル・リスポンス(TPR)
学習者が母国語話者とのわかりやすい会話を通し、コミュニケーションができるようにすることを目的とした。幼児の言語習得過程から「聞き取り」を最重視し、聴解力の向上は書く能力・話す能力に転移するとした。
教師の指示に対し、学習者は全身を使って反応するという方法を取る。
大脳生理学の見地から支持された理論でもあり、右脳と左脳の両方を使用する「聞く」と「動作」を合わせた訓練は学習効果が高いとした。
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