「国語科授業の計画と評価について述べよ。」
1章 学習者主体の授業
授業の主体となるのは学習者、つまり児童である。授業を行うには、児童の実態把握が必要であるが、国語科教育の場合、母国語を対象とすることから、小学校で始めて学ぶわけではなく、それ以前から生活の中で学習していることになる。よって学校教育の国語科だけではその国語力は形成されないのである。
しかし、児童の生活における国語力を把握することは不可能なので、学力テストや観察記録の結果から実態を把握していかなくてはならない。
国語科は3つの学力に分けられる。読み・書き・話すなどの「技術領域の学力」。ものの見方や考え方などの「価値領域の学力」。そして、コミュニケーション力などの「基盤領域の学力」である。この3つの学力は児童が固有にもっている学力ではなく、状況と児童の特性とで生成されるものであると考えなくてはならない。例えば、基盤領域であるコミュニケーション力は、児童が誰とコミュニケーションを取るかによって変化する。
しかし、それとは反対に、状況と特性に左右されない学力もある。例えば、文字を書くスキルは、身体に染み込んでいるものであり、...