販売促進に関する定義、概念規定については、その構造あるいは規定が論者によって相違がみられるのが現状であり、1960年のAMA用語定義委員会の定義によると広狭二義に解されている。すなわち、定義によると、狭義に解した販売促進は「人的販売、広告活動、パブリシティなどを除いたマーケティング諸活動のことであり、消費者の購買や販売業者の効率性を刺激するような陳列、展示、展覧会、実演、その他定式過程のようには繰り返して行われることがない販売諸努力である」と規定している。このように、狭義の販売促進は広義の販売促進の一領域を構成するものであり、主要な機能を遂行するものではあるが、販売促進のための諸活動およびその方法は実際的な側面において広範に取扱われるものである。通常、狭義販売促進の体系は、その働きかけの活動を行う対象という視点からして、流通業者を対象とする販売促進、消費者を対象とする販売促進、社内を対象とする販売促進に三分類することができる。
流通業者を対象とした販売促進は、生産者に対していだく感情や意識によってその成果が著しく影響され、販売の成否が決定されることから流通業者に対して自己商品の関心を深...