各国はこれまでそれぞれの国の特殊事情を背景にそれぞれの会計基準を設定している場合が多かった。その結果、各国の基準でそれぞれ作成される財務諸表は、その比較可能性の面で問題となってきた。また、企業活動の国際化と資本市場の拡大に伴い、国際的な会計処理に対する必要性も急務となってきたのである。そのような事情から、各国の会計基準の国際的な調和または統一の方向をめざして設定されたのが、国際会計基準委員会である。この国際会計基準委員会は、これまで数多くの国際会計基準(IAS)を1975年以降に公表してきている。このIASに加えて、それと一定の関係をもちながら、各国における証券監督当局の国際化を目指す証券監督者国際機構(IOSCO)の役割もまた特に重要になってきている。IOSCOはIASを承認したため、事実上IASに基づく財務諸表が世界各国の証券取引所で受理されることになった。なお、2001年から国際会計基準委員会(IASC)に代わって、新たに組織された国際会計基準審議会(IASB)が活動を開始した。また、各国の会計基準に代わり、世界的な統一会計基準である国際財務報告基準(IFRS)を作成することに...