ホスピタリティ深考
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目次
はじめに
第一章 注目されるホスピタリティ
第一節 社会構造の変化とホスピタリティ
第二節 東京ホテル戦争
第二章 ホスピタリティとは
第一節 西洋と東洋、日本のホスピタリティ
第一項 ホスピタリティの意味
第二項 キリスト教文化のホスピタリティ
第三項 東洋のホスピタリティ
第四項 日本における甘えの文化
第五項 ホスピタリティとパブリックな空間
第二節 ホスピタリティとサービス―その語源から
第三節 真のホスピタリティ
第三章 「ホスピタリティ」とは
第一節 ザ・リッツ・カールトンの「ホスピタリティ」
第二節 忘れられた静かな感動
第三節 西洋と日本の旅行
第四節 「ホスピタリティ」のテーマパーク
第一項 人材育成の魔法
第二項 感動創造の魔法
第五節 「ホスピタリティ」教
第四章 接客業における三段階進化
第一節 接客業とは
第二節 根底をなす二段階
第三節 最後のブースター
おわりに
謝辞
インタビューについての補足
参考文献一覧
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はじめに
私は小学校の時から祖父と国内旅行することが多く、様々なホテルでホテルマンのサー
ビスを受け、また若い時にホテルマンであった祖父の解説を聞き、物心つくころには彼ら
への憧れを強く持つようになっていた。また一流のホテルマンによるサービスから漏れ伝
わる伝説は私の心を熱くさせるのだった。
超高級ホテルが東京へ進出してくることと時を同じくするように、最近書店で、ホテル
のサービスやホスピタリティに関する書籍が目立つようになった。ブームと呼べる一連の
ホスピタリティ熱は、単純に富裕層の増加や好景気を象徴しているだけではなく、国策と
してのレジャー産業の「宿泊施設」から、より高い精神的満足を消費に求める、大量生産
大量消費の時代からの脱却を象徴しているのではないだろうか。「ホスピタリティ」はもて
なしを表す抽象的なキーワードとして、サービス業従事者、コンサルタントを中心に多く
の人々が、それぞれの「最高のサービス」を語る場となっている。このような世間のホス
ピタリティ熱と比例するように、私の中にホスピタリティに対する違和感、不信感が増大
するようになっていった。ホスピタリティとは何なのか。
その不信感を解消したい一心で 2007 年度の◎◎大学経営学会主催の学生懸賞論文へ、
「ホスピタリティ再考」を上梓した。本論では「ホスピタリティ再考」と内容の一部を同
じくするが、「ホスピタリティ再考」においては、まだ曖昧なままだったホスピタリティの
ビジネスに対する適応に関する部分をさらに深く考える。これはホスピタリティというか
つて自分にとってのブラックボックスだったものの回路図である。
第一章 注目されるホスピタリティ
第一節 社会構造の変化とホスピタリティ
フィクス、ジョン、グローブ(2005 )によれば経済活動における時代を、農業化の時代
(農耕)、工業化の時代(製造)、情報化の時代(サービス)の3つに分けることができる。
我々が今生きている 21 世紀は既に情報化の時代に突入している。これはかつて未来学者
A・トフラーが 1980 年に『第三の波』の中で述べた変革が現実のものとなったことを表し
ている。生産と消費の関係性を考えると、第一の農業化の時代においては生産と消費は非
常に近い場所で行われていた。生産した人間が消費する、もしくは生産した人の元から貰
ってくる社会だった。生産と消費の密接さから情報は共
ホスピタリティ深考
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目次
はじめに
第一章 注目されるホスピタリティ
第一節 社会構造の変化とホスピタリティ
第二節 東京ホテル戦争
第二章 ホスピタリティとは
第一節 西洋と東洋、日本のホスピタリティ
第一項 ホスピタリティの意味
第二項 キリスト教文化のホスピタリティ
第三項 東洋のホスピタリティ
第四項 日本における甘えの文化
第五項 ホスピタリティとパブリックな空間
第二節 ホスピタリティとサービス―その語源から
第三節 真のホスピタリティ
第三章 「ホスピタリティ」とは
第一節 ザ・リッツ・カールトンの「ホスピタリティ」
第二節 忘れられた静かな感動
第三節 西洋と日本の旅行
第四節 「ホスピタリティ」のテーマパーク
第一項 人材育成の魔法
第二項 感動創造の魔法
第五節 「ホスピタリティ」教
第四章 接客業における三段階進化
第一節 接客業とは
第二節 根底をなす二段階
第三節 最後のブースター
おわりに
謝辞
インタビューについての補足
参考文献一覧
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はじめに
私は小学校の時から祖父と国内旅行する...