破線のマリスを読んで

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    破線のマリスを読んで
    報道ニュース番組がどのように作られて行くのか興味深く読ませテレビの裏側を知っているかのように詳しく書かれていてとても勉強になる作品だと思う。TVでのやらせ・捏造問題で騒がれている今を見透かしたような内容に驚きを覚えた。内容はミステリーというよりは警告だ。
    謎解きはあるが事件そのものは未解決のまま。
    冒頭から前半はTV業界の専門用語や、市民オンブズマン怪死事件の細かい説明などで
    知識のない私には正直読み飛ばしたくなった、ここはあとになって重要なキーとなってくるので読みすすめていると、だんだんハラハラ・ドキドキのサスペンス色になっていく。私は

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    破線のマリスを読んで
    報道ニュース番組がどのように作られて行くのか興味深く読ませテレビの裏側を知っているかのように詳しく書かれていてとても勉強になる作品だと思う。TVでのやらせ・捏造問題で騒がれている今を見透かしたような内容に驚きを覚えた。内容はミステリーというよりは警告だ。
    謎解きはあるが事件そのものは未解決のまま。
    冒頭から前半はTV業界の専門用語や、市民オンブズマン怪死事件の細かい説明などで
    知識のない私には正直読み飛ばしたくなった、ここはあとになって重要なキーとなってくるので読みすすめていると、だんだんハラハラ・ドキドキのサスペンス色になっていく。私は思わず現場にいて時間との闘いにハラハラしてしまっていた。とても上手いストーリーだと思った。私は物語の中盤で「真犯人」がわかってしまったのが残念。題名も私には初めて聞く言葉だったが、「破線」とはTVにめぐらされる五百二十五本の線、「マリス」とは情報の送り手側の意図的な悪意、という意味だ。ニュースなどは編集にマリスが潜んでないかチェックし、送り手はその除去を常に意識すべきだという。報道に潜む作られた真実を語ることの危うさを、リアリティのある描写で描いていた。制作現場のピリピリした緊張感まで伝わってくるようです。
    一つの映像に込められた偏見が世論を動かした結果、イメージや感覚で動く世論の暴力によって、被害に遭った人の生活は簡単に壊されてしまう。映像のもたらすイメージは文章とは違い、脳の動きからすると文章を読むよりも絵を見たときの方が集中して活発に働く。そんな放送被害の怖さが伝わってくる。マスコミに携わる人にとっても、日々テレビを観ているわたしたちに読むべき本だ。 一人の人間の意志による映像編集により一人の人間の生活が破壊される危うさ、報道の自由と個人のプライバシーの関係、について考えさせられた。現在の情報社会において情報を鵜呑みにしがちな現代人に対する警鐘を鳴らしているようにも感じられる。
    問題になっている「発掘!あるある大事典」についても言えることだが、同じ素材を編集の仕方で良くも悪くもどちらにでも取れるよう魅せてしまうTV。
    観る側である視聴者も1つの意見だけではなく、インターネット時代である今だからこそ出来る多方面からの情報収集もしくは物を見る癖をつける必要があると痛感した。
    情報操作のもっとも恐ろしいのはこの情報が偏ったものであるにもかかわらず、情報の受け手はその情報が唯一の真実である、と思い込んでしまうところにある。
    制作者側の方が主人公なので、その世界にいない自分としては、ちょっと感覚が分からないところがあります。

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