読書ノート、エッセイ5

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    容疑者ケインズ-不況、バブル、格差。
    すべてはこの男のアタマの中にある 2009年04月06日 小島 寛之 小野善康「乗数効果の誤謬」:乗数効果は、国民の所得を増やすという意味での景気対策には全く効果を持たず、また、その実質的効果は政府が投じた金額ではなく、作られた公共物の価値に依存する。 可処分所得とは、税金を納めたあとに手もとに残る所得のことだ。実は、国民の可処分所得は公共事業がなされたからといって全く増えないことがわかる。つまり、政府が公共事業を行わないときの国民の所得(=消費額+貯蓄額)と、税金を二兆円徴収して公共事業をし、その報酬を国民に支払うときの可処分所得は、全く変わらないのだ。なぜなら、ケインズの仮定では、家計部門の消費と貯蓄は一方が決まれば他方も決まることになっている。企業部門の投資額が変わらないのだから、家計部門の貯蓄額もその投資額と一致したまま変わらない。だから、消費額も公共事業がないときの水準と同じままでなければならない。ここで前と状況が変わるのは、政府によって二兆円の税金が徴収されることである。したがって、納税前の所得が前より二兆円増えていなければ、消費がその...

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