取締役の責任
【事案】
X社(代表取締役A、社外取締役D)の子会社Yは寿司チェーンを営んでいる。
Y社取締役食材部長Bの指示によって食材の使いまわしが行われ、Mは食中毒の被害を受けた。食中毒事件の前に、使いまわしの事実を知ったY社代表取締役CはBに注意していたが、衛生面について気をつけるように助言するにとどまった。
この食中毒をきっかけに、X社の株価は暴落し、X社の株主Nは株の売却を行った。また、Y社従業員Pは解雇され、給与を得ることができなかった。
一.M(寿司店の顧客)による請求
1.B(Y社取締役食材部長)に対する請求
Bの指示による食材の使い回しのため、Mは食中毒の被害を受けており、BM間には契約関係があるわけではないから、賠償請求をするには不法行為責任(民法709条)を追及してくることが考えられる。しかし、これによると結果発生の故意過失今では「結果発生についての故意過失」が709条の要件なのですか?やBの行為と損害の間の因果関係など帰責事由の有無因果関係は帰責事由なのか?の立証責任が被害者Mにあるため、Mはこれよりも立証が容易である会社法429条1項による責任を追及してくる...