刑事手続法第11回 証明と挙証責任

閲覧数2,158
ダウンロード数1
履歴確認

    • ページ数 : 6ページ
    • 会員1,100円 | 非会員1,320円

    資料紹介

    刑事手続法第11回 証明と挙証責任
       
    証明のあり方や挙証責任については,まさに訴訟法らしい部分です。 刑訴では政策的な判断の部分が少なくないのですが,ここはどちらかというと論理の部分と言って良いように思われます。その分,冷静に頭の体操ができると思います。よく考えて下さい。
    【問題1】
     某急行列車内ですり事件が多発しているとの情報に基づき,捜査官Aら同列車に乗り込み,スリの検挙に従事していたところ,同列車9号車において,Yが乗客Vの上着内ポケット内から財布をすり取ろうとしてポケットに手を差し入れているところを現認し,その場でYを窃盗未遂の現行犯人として逮捕した。ところが,その約30分ほど前に,同列車の7号車においても,乗客Wの上着内ポケットから財布がすり

    タグ

    資料の原本内容 ( この資料を購入すると、テキストデータがみえます。 )

    刑事手続法第11回 証明と挙証責任
       
    証明のあり方や挙証責任については,まさに訴訟法らしい部分です。 刑訴では政策的な判断の部分が少なくないのですが,ここはどちらかというと論理の部分と言って良いように思われます。その分,冷静に頭の体操ができると思います。よく考えて下さい。
    【問題1】
     某急行列車内ですり事件が多発しているとの情報に基づき,捜査官Aら同列車に乗り込み,スリの検挙に従事していたところ,同列車9号車において,Yが乗客Vの上着内ポケット内から財布をすり取ろうとしてポケットに手を差し入れているところを現認し,その場でYを窃盗未遂の現行犯人として逮捕した。ところが,その約30分ほど前に,同列車の7号車においても,乗客Wの上着内ポケットから財布がすり取られるという窃盗既遂事件が発生していた。Xは上記両事件によって起訴された。
     公判廷において,検察官はまず窃盗未遂事件について立証し,裁判所は,これにつき被告人が犯人であることは間違いないとの心証を形成した。しかし,既遂事件については,目撃者がおらず被害者自身も犯人を特定することができない状態であった。
     そこで,既遂事件に...

    コメント0件

    コメント追加

    コメントを書込むには会員登録するか、すでに会員の方はログインしてください。