「グローバリゼーション」と「文化」の関係
~ グローバリゼーション 文化帝国主義を超えて ~
ジョン・トムリンソンの主張
トムリンソンはグローバリゼーションを文化の均質をもたらすものとしてではなく、程度の差はあれ世界中の人間の文化的経験全体に一般的な影響を与えているものとして、日常的な身近な経験としてのグローバリゼーションという観点からこの一般性を本書で説明、解釈しようとしている。その上で、本書の副題「文化
「グローバリゼーション」と「文化」の関係
~ グローバリゼーション 文化帝国主義を超えて ~
ジョン・トムリンソンの主張
トムリンソンはグローバリゼーションを文化の均質をもたらすものとしてではなく、程度の差はあれ世界中の人間の文化的経験全体に一般的な影響を与えているものとして、日常的な身近な経験としてのグローバリゼーションという観点からこの一般性を本書で説明、解釈しようとしている。その上で、本書の副題「文化帝国主義を超えて」にもあらわれているように「文化帝国主義」を1960年代までの「近代」を特徴付ける、意図目的をもった欧米文化による世界支配の動きとし、これに対して、現代のグローバリゼーションは経済的文化的支配のそれとは違う、ポストモダンの文化的状況を特徴付ける無目的なものとして捉え、グローバリゼーションと文化の密接な関係を日常的な現象を中心に強調している。
まず、第一章ではトムリンソンはグローバリゼーションと文化の間にある関係を明らかにしようとグローバリゼーションを「近代の社会生活を特徴づける相互結合性と相互依存性のネットワークの急速な発展と果てしない稠密化」とし、これを「複合的結...