A評価
『学校カウンセリングの意義、方法および今後の課題について述べなさい。』
カウンセリングとは、心的構造における、イド・自我・超自我のアンバランスを修正することである。カウンセリングには大きく分けて、治療的カウンセリングと、発達援助的カウンセリングの二つに分けられる。治療的カウンセリングの対象は主に神経症患者であり、無意識を意識化させ、精神分析や自由連想法などの技法を用いる。意識と無意識の行動を一致させ、無意識より意識の方を強くさせ、神経症を回復させることが目標である。しかし、これは成人を対象にした考え方だといえる。成人はイド・自我・超自我の大小関係は固定しているためである。
発達援助的カウンセリングは、治療を目的としたものではなく、子どもの人格がバランスよく発達を遂げるよう援助することが目的であり、それゆえ学校カウンセリングといえば、一般的に発達援助的カウンセリングをさす。
学校カウンセリングで対象となる児童・生徒の場合は、イド・自我・超自我の関係は、常に流動的で発達的である。そのため、たとえ子どもが神経症的な症状や問題行動を起こしたとしても、それは発達のある段階における一時的なものであ...