「テキストの第六章第二節『平家物語』の「敦盛の最期」について、①本文全体を口語で百字以内に要約しなさい。②その上で、「敦盛の最期」の教材価値を具体的に述べなさい。」
①「敦盛の最期」の要約 敦盛が沖の船に向かうところを熊谷直美が引き留め首を刎ねようとするが、息子と同じ年頃であることに動揺し助けようと思案する。しかし後方から自軍が来ていて、迷いつつも首を刎ね、そのことを悔いて出家する。
②「敦盛の最期」の教材価値について
『平家物語』は、保元の乱・平治の乱勝利後の平家と敗れた源家、源平の戦いから没落した平安貴族たちと、新たに台頭した武士たちによる人間模様を描いた軍記物語であり、その中の巻第九に収録されているのが「敦盛の最期」である。
文学を、文法や仮名遣いの理解といった受験のための勉強法で見る場合が学生の場合は多いが、心理描写として、自己の内面に響き渡る、純粋な文学としてこの物語をまず見ていきたい。
文学を作者の心を映す鏡として見た場合、当時の人々の人生観、主義思想、価値観等、発見できるものは多い。『平家物語』を読むというきっかけを通して、源氏と平氏の関係や歴史に興味を持つ...