狭心症についての概要をまとめたもの
【狭心症】
「病態」
冠動脈のアテローム硬化による狭窄、または狭窄部の攣縮によって発作的に発症するもので、心筋が一過性に酸素不足(虚血)に陥ったために生じる特有の胸痛ないし胸部不快感(胸心痛)を主症状とする症候群である。
・狭心症の分類
誘因の観点から
労作狭心症
安静狭心症
病状の安定性の観点から
安定狭心症
不安定狭心症
発生機序の観点から
器質性狭心症
冠攣縮性狭心症
冠動脈の狭窄の種類を図1に示す。
<労作狭心症>
労作狭心症では、急にした動作、階段や坂道を登った、重いものを持ち上げた、興奮した、怒った、といった行動で発作が起こる。このような動きは脈拍数や血圧を急に上げる原因になり、心筋は血液・酸素をさらに多く必要としますが、血管狭窄により、供給がそれに応じきれないことから血液(酸素)不足になり、発作を起こしてしまう。表2にカナダ心臓血管医学会(CCS)による労作狭心症の重症度分類を示す。
<安静狭心症>
安静狭心症は、労作や興奮では狭心症の症状は現れず、主に夜間や早朝・未明の安静時に発作が現れることが多いようである。いつも、ほぼ一定の時...