「個別援助技術(ケースワーク)の展開過程について述べよ。」
ケースワークの展開過程とは、ケースワークの理論をワーカーによる専門的な働きかけとして具体的に明示することである。個人を対象とするケースワークは、ソーシャルワークの中核となる最も基礎的な技術として発展してきた。ケースワークの古典的な援助過程は、①社会調査、②社会診断、③社会治療という医学からの影響を強く受けたものであったが、このケースワーク、グループを援助対象とするグループワーク、地域を援助対象とするコミュニティワークを一体的にとらえようとするその後のソーシャルワーク全体の理論的進展によって、援助過程も統一的に認識されるようになってきたのである。
本レポートでは、ケースワークの展開過程をインテーク、情報収集、アセスメント、プランニング、介入、事後評価、終結の7つに分け、それぞれについて述べる。
1.インテーク
ケースワークの過程において最初の段階をインテークという。
インテークではワーカーと利用者がぐさまケースワークが始まるわけではない。通常、ワーカーはいずれかの機関や施設に所属している。言い換えれば、ワーカーは所属する機関などの一職員である。利用者との出会いは大切にしなければならないが、利用者の問題解決に必要な専門機関・施設とインテーク段階でワーカーが所属している機関・施設とが合致しているとは限らない。場合によっては、ほかの機関・施設の方がよい場合もある。それゆえ、ワーカーは利用者の話を傾聴し、何を求めているのかを知るということが求められる。能や提供できるサービスの内容を利用者に説明し、利用者がその機関・施設からの援助を受ける意思を明らかにすること、と言われている。
2.情報収集
情報収集とは、利用者やその問題状況を理解し、次段階のプランニングや介入を検討するための情報を得る過程である。情報は、利用者自身、利用者が抱える問題状況、利用者をめぐる環境、利用者と環境との間の調和の保ち方などということになる。当然、利用者、利用者とかかわりのある人々、利用者に援助をしたことがある機関・施設、さらに必要に応じて医学的資料や心理テストなどから情報を収集することになる。
しかし、利用者に関する情報は無限にある。したがって、どこかで区切っていかなくてならない。ところが、援助計画を作るためには必要な情報というのもある。つまり、やみくもに情報を集めるのではなく、援助していくために必要な情報を効率よく収集していくことが重要である。
3.アセスメント
アセスメントは、問題解決のための援助計画を策定する前に利用者や利用者の抱える問題の全般的な把握と理解のためにあり、ワーカーは集めた情報から利用者の問題や要因、解決すべき問題の焦点づけ、利用者の有する問題解決の能力などを見定め、問題解決の方針と方法を探る。
ただし、アセスメントという概念は近年注目が集まったものであり、これはなアセスメントが可能になっていくと期待されている。
4.プランニング
道筋を自らの力でたどる意欲を持つことは困難である。
5.介入
援助計画に沿って、利用者の問題解決を図るために、ワーカーが働きかけることを介入といい、直接介入と間接介入とに分けられる。
直接介入とは、クライエント自身に焦点をあてて問題解決を図る方法であり、具体的には傾聴、支持、共感、受容などの取り組みがされる。
間接介入とは、クライエントをとりまく社することなどが含まれる。
介入は、ワーカーが一方的に働きかけるだけではない。一方的に働きかけることは、一方的関係
「個別援助技術(ケースワーク)の展開過程について述べよ。」
ケースワークの展開過程とは、ケースワークの理論をワーカーによる専門的な働きかけとして具体的に明示することである。個人を対象とするケースワークは、ソーシャルワークの中核となる最も基礎的な技術として発展してきた。ケースワークの古典的な援助過程は、①社会調査、②社会診断、③社会治療という医学からの影響を強く受けたものであったが、このケースワーク、グループを援助対象とするグループワーク、地域を援助対象とするコミュニティワークを一体的にとらえようとするその後のソーシャルワーク全体の理論的進展によって、援助過程も統一的に認識されるようになってきたのである。
本レポートでは、ケースワークの展開過程をインテーク、情報収集、アセスメント、プランニング、介入、事後評価、終結の7つに分け、それぞれについて述べる。
1.インテーク
ケースワークの過程において最初の段階をインテークという。
インテークではワーカーと利用者が初めて出会うことになるが、すぐさまケースワークが始まるわけではない。通常、ワーカーはいずれかの機関や施設に所属している...