西洋教育史の中で、アメリカの戦後教育についてまとめ、現代の教育事情にどのようにつながっていくのか、またアメリカの教育の後を追う傾向がある日本の行く末を考察する。
アメリカの戦後の教育は「スピートニク・ショック」によると言われている。すなわち、1957年の旧ソ連の人工衛星スプートニクの打ち上げ成功を契機として、「国防教育法」を制定し国策として、科学技術教育の振興をはかることになったのである。それまで教育界を推進してきた経験主義は批判の矢面に立たされ、それに代わって科学技術・英才教育に力を入れた。
例えば、理数科のカリキュラム改造を目的としたウッズホール会議が1959年に開催され、議長を務めたブル...