日本各地へ旅に出ると、そこで出会う人たちのことばを聞いて、なんとなく意味は理解できるが音韻、文法、アクセントなどにおいて違和感を覚えることは多多ある。それは聞き慣れないことば、つまり他の地域では使われない独特なことばだからだろう。東北では「捨てる」ことを「なげる」、関東では「ぶちゃる」、という地域があり、わたしの住む三河地方では「ほかる」という。このように地域に制約された言語であり、他の地域では使われない特別なことばを「方言」と呼ぶ。
方言は音韻、アクセント、文法、語彙などに認められる特徴に注意して区画される。いろいろな区画案があるが、その中でも東条操の区画案(1953年)が代表的である。それ...