民訴 論文
問題
甲が乙に対して提起した売買代金の支払いを求める訴訟(前訴)の係属中に、乙が甲に対して貸金の返還を求める訴訟を提起した(後訴)。後訴において甲が乙に対して、前訴における売買代金債権を自働債権とする相殺の抗弁を提出することは許されるか。
解答
1, 乙が相殺の抗弁を提出することは、二重起訴の禁止を定める142条に抵触し、許されないのではないか。
2, 本問において前訴は、甲の乙に対する売買代金請求事件であるのに対し、別訴は乙の甲に対する貸金返還請求事件であり、当事者は同一であっても訴訟物は異なる。(また、相殺の抗弁は抗弁であって「訴え」ではない。)よって、本問は、「裁判所に係属...