「e-Japan戦略」
世界的規模の革命の先端に立つという、大きな目標のもと日本政府は、情報通信技術の活用によって世界的な規模で進行する社会経済構造の変化に適確に対応する必要性を痛感したため、高度情報通信ネットワーク社会の形成に関する施策を迅速に、しかも重点的に推進するためにこの「e-Japan戦略」を推進している。ここに至るまでには約8年にわたるプロセスを経ている。そして、この戦略や施策のベースになったのが、2000年11月に発表された『IT基本戦略』といえる。
『IT基本戦略』の内容は、大きく「基本理念」と「重点政策分野」の2つに分かれている。さらに「基本理念」には、IT革命の歴史的意義、各国のIT革命への取り組みと日本の遅れ、基本戦略の3部で構成されている。
まず、「基本理念」で述べられている概要は(IT革命は、18世紀の産業革命に匹敵し、今後急速に“知識創発型社会”へと移行する。しかし、主要国の中で日本はIT革命への取り組みに遅れており、将来取り返しのつかない競争力格差を生み出すおそれがある。そこで、社会経済の構造改革の方向性と改革の道筋を具体的に描いた国家戦略を構築し、...