外国史(東洋)第二分冊 略題(宋王朝と周辺民族)
北宋・南宋王朝と周辺民族の関係について論述せよ
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八世紀半ばから中国社会は少しずつ変化を初め、唐朝の滅亡、五代の過渡期を経て宋朝が成立すると決定的な変化となった。宮廷では門閥貴族政治から独裁君主政治へと移り変わり、土地を主とする経済から商業や都市の発展する社会へと変わる事になる。これは唐が諸民族を統括、支配した世界帝国であったが、崩壊に伴い諸民族社会にも変化を与える事になる。それまでの北方民族の鮮卑や突蕨、そしてウイグルなどが部族連合国家であり、中国の関係で言えば、北方のモンゴル高原にいて国境紛争をおこしたり、または北方の郷里の地を離れ中国に入って中国文化に融合したのに対し、この時代以降に栄えた遼や金の国家は君主権が強く北方の郷里の地と中国内の領土の双方を支配していた。
一方、唐の全盛期に中国の領土は大きく拡大したが、末期になると西方の吐蕃と北方の諸民族に侵され、最後は軍閥の反乱などで滅びる事になる。この後、軍閥の抗争を勝ち抜いた趙匡胤...