『地域福祉の概念規定における機能的アプローチと構造的アプローチについて述べよ。』
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現在の地域福祉の方向性は、従来の「福祉六法」で階層や福祉の分類別に考えられてきた社会福祉を、生活というライフステージに密着した地域社会に軸足を置いて総合化を図り、住民に共通する生活課題として理解し、そのニーズに対応することである。具体的には、福祉行政だけではなく、関連の保健・医療・教育・雇用・住宅など生活のさまざまな場面について新たな視点から見直しを進め、一人一人の生活の場である地域社会に対応する施策を打ち出し、実践することである。
高度経済成長期の頃には、公害などの社会問題が噴出した時期であった。その結果、地域住民の多くが生活問題に主体的に関わることを意識し、それを契機として福祉課題にも関心を広げ、地域福祉の展開へとつながっていったのである。
ところが、1973年のオイル・ショックがもたらした経済の低成長は、国や地方自治体の財政を急速に悪化させた。そこで台頭してきたのが「小さな政府論」であり、福祉行政の公的責任の縮小、相互扶助の強調、民間活力の利用などの「福祉見直し論」や「日本型福祉...